脂肪分の一種であるLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が血液中に増加すると、血液がドロドロしてきます。そして次第に血管壁にかたまりをつくり、いわゆる動脈硬化に陥ってしまいます。
動脈硬化は、脳卒中や心筋梗塞など重篤な病気を引き起こす原因になるにもかかわらず、自覚症状がないままに進行するので、治療に真剣に取組みにくい点で厄介です。
コレステロール値をコントロールするためには、まずは動物性脂肪をとりすぎないことです。動物性脂肪には、LDLコレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く含まれています。
これに対し、植物油や魚油に含まれている不飽和脂肪酸には血液をサラサラにしてLDLコレステロールを減らしたり、血栓を防ぐ作用があるので、動脈硬化の予防に役立ちます。
野菜には、余分なコレステロールを吸着して排泄し、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きのある食物繊維をはじめ、コレステロール値を改善するビタミンA、Cが豊富に含まれています。
1日350gを目標に野菜をたくさんとりましょう。野菜料理のレパートリーが増えれば、上手な一汁三菜の献立ができ、食卓の彩りもよく、味も栄養もバランスがとれて、食の豊かさ、楽しさが増します。
写真は「野菜椀」、「れんこんのかつお節煮」、「ほうれん草とえのきだけの磯辺あえ」とご飯。 夕食におすすめの献立です。
宗像 伸子(むなかたのぶこ)
ヘルスプランニング・ムナカタ主宰 女子栄養大学専攻科卒・管理栄養士/山王病院、半蔵門病院栄養部に長年勤務/帝国クリニック栄養コンサルタント/東京家政学院短期大学客員教授
平成6年度(財)国民栄養協会の「有本邦太郎賞」受賞
カラー版 『一品料理500選』医歯薬出版/『1200キロカロリーの献立』日本放送出版協会/『からだにおいしい キッチン栄養学』高橋書店/『一生元気! 50歳からの健康ごはん』海竜社など著書多数。
宗像先生のホームページはこちらから。