ある調査によると、50歳以上の3人に1人が血圧が高めといわれ、また最近では小学生にも高血圧になる子がみられ心配されます。血圧の高い人は、塩分の摂取を控えることが必須です。
現在、日本人の食塩摂取量は1日10g未満が目標とされていますが、すでに高血圧の人は、1日6g以下に控えておきたいところです。できれば、若いうちから減塩食を実行して、薄味に慣れておきましょう。
いきなり減塩を始めると、薄味の食事を味気なく感じてしまいます。食事はおいしく食べてこそ健康に通じるものですから、減塩の方法にも工夫が必要になってきます。
塩分のとりすぎが心配されがちなみそ汁には、野菜類を具としてたっぷりと入れましょう。緑黄色野菜やジャガイモなどに多く含まれるカリウムの働きで、体内に取り込まれた塩分(ナトリウム)の排泄を促してくれます。
食塩の代わりに、味を引きしめる酢や柑橘類を上手に利用する方法もおすすめです。酸味には生臭さや油っぽさを抑える作用もありますから、どんどん取り入れましょう。 また、昆布やかつお節などが持つ自然のうま味、肉や魚、きのこなどが持つ独特のうま味も、だしとして大きな力を発揮します。
写真は、「大和芋の二杯酢」「キャベツとアサリのスープ煮」 「ブロッコリーの辛子あえ」と、ご飯で夕食におすすめの献立です。
宗像 伸子(むなかたのぶこ)
ヘルスプランニング・ムナカタ主宰 女子栄養大学専攻科卒・管理栄養士/山王病院、半蔵門病院栄養部に長年勤務/帝国クリニック栄養コンサルタント/東京家政学院短期大学客員教授
平成6年度(財)国民栄養協会の「有本邦太郎賞」受賞
カラー版 『一品料理500選』医歯薬出版/『1200キロカロリーの献立』日本放送出版協会/『からだにおいしい キッチン栄養学』高橋書店/『一生元気! 50歳からの健康ごはん』海竜社など著書多数。
宗像先生のホームページはこちらから。