アルコールは肝臓で分解されますが、その処理能力を超えたアルコールが体に入ると、毒性の強いアセトアルデヒドが大量につくられます。 これが体内にいつまでも残っていると、頭痛や吐き気などの不快な二日酔いの症状が現れるだけでなく、肝臓の大きな負担になります。
肝臓をいたわるには、まずはお酒を飲みすぎないことが肝心。飲む場合も適量を守りましょう。お酒のおつまみには良質なたんぱく質(チーズなどの乳製品、卵、肉類、魚介類、豆腐など豆製品)やビタミン、ミネラルを多く含む、低エネルギー食品(野菜類、芋類、きのこ類、海藻類、果物類など)をしっかりとることが大切です。
良質なたんぱく質は、傷ついた肝細胞を補修・再生し、アルコール分解酵素など肝機能を支えているさまざまな酵素の働きを活性化させます。
肝臓にトラブルがあると代謝機能も衰えて、ビタミンやミネラルの吸収も悪くなります。しかも肝臓はビタミンの貯蔵庫でもありますから、ここにトラブルがあると、それらの活用も難しくなってしまいます。
このためにも、各種ビタミン、中でも糖質の代謝に欠かせないビタミンB群、たんぱく質の代謝にかかわるビタミンC、Eなどが不足しないよう、また、ミネラルにも配慮しながらバランスよく補給していく必要があります。
写真は、「肉豆腐」に「とろろ昆布のすまし汁」「大和芋のわさび酢あえ」「なすとピーマンの鍋しぎ」「キャベツの即席漬け」と、ご飯をあわせ、夕食におすすめの献立です。
宗像 伸子(むなかたのぶこ)
ヘルスプランニング・ムナカタ主宰 女子栄養大学専攻科卒・管理栄養士/山王病院、半蔵門病院栄養部に長年勤務/帝国クリニック栄養コンサルタント/東京家政学院短期大学客員教授
平成6年度(財)国民栄養協会の「有本邦太郎賞」受賞
カラー版 『一品料理500選』医歯薬出版/『1200キロカロリーの献立』日本放送出版協会/『からだにおいしい キッチン栄養学』高橋書店/『一生元気! 50歳からの健康ごはん』海竜社など著書多数。
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