鉄分は、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」を構成する成分です。ヘモグロビンは酸素を身体の隅々まで運ぶ働きがありますが、鉄分が不足すると運搬できる酸素が少なくなるため、各臓器の機能が低下し、いろいろな症状が起こりやすくなります。無理なダイエットで食事量が少な過ぎたり、同じ食品に偏ったりすると、鉄分ばかりではなく必要な栄養素も摂れません。鉄分を豊富に含む食品と共に、その吸収を助けるビタミンCや葉酸を含む食品も積極的に摂りましょう。
・鉄分を豊富に含む食品:レバーやあさり、ひじき、大豆とその加工品など
・ビタミンCを豊富に含む食品:ピーマン、葉野菜、かんきつ類、いちご、キウイ、メロン、柿など
・葉酸を豊富に含む食品:主に葉野菜やブロッコリーなど
鉄分の多いあさりと、吸収を良くするビタミンCや葉酸の多い小松菜を使った、野菜もしっかりとれる丼物です。みそ仕立てが主流ですが、塩と醤油、みりんなどの味付けで卵とじにすると、栄養価もアップしておすすめです。
レバーは「貧血の特効薬」ともいわれる、鉄分の多い食品です。独特の匂いが気になる人も多いので、臭み抜きをしてから調理しましょう。しょうがや豆板醤などを加えると、さらに食べやすくなります。ピーマンの赤や緑の彩りで、視覚的にも楽しめる一品です。
宗像 伸子(むなかたのぶこ)
ヘルスプランニング・ムナカタ主宰 女子栄養大学専攻科卒・管理栄養士/山王病院、半蔵門病院栄養部に長年勤務/帝国クリニック栄養コンサルタント/東京家政学院短期大学客員教授
平成6年度(財)国民栄養協会の「有本邦太郎賞」受賞
カラー版 『一品料理500選』医歯薬出版/『1200キロカロリーの献立』日本放送出版協会/『からだにおいしい キッチン栄養学』高橋書店/『一生元気! 50歳からの健康ごはん』海竜社など著書多数。
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