食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、腸の運動を活発にしたり、便の量を増やして便意を促す働きがあるため、便秘予防にも役立つものです。
高齢になると、歯の障害でかめなくなり、軟らかい食物を好む傾向がある結果、食物繊維不足で便秘傾向になることがあります。食物繊維が豊富な、野菜や果物はもちろんのこと、海藻やきのこなどを食べやすく料理し、適度な食物繊維を摂取して便秘予防を心がけましょう。
主菜と副菜が一緒にとれる料理です。ごぼうやれんこん、にんじんなどには食物繊維が多く、干ししいたけやこんにゃくにも食物繊維は多く含まれます。食物繊維がしっかりとれるため、便秘予防にはうれしい料理です。 ごぼう、れんこんは歯の弱い方は小さめに切って、軟らかく煮てください。だしを効かせた薄味でおいしく煮込みましょう。
豚肉は牛肉や鶏肉、鮭の缶詰でもよいでしょう。野菜は大根、かぶ、玉ねぎ、白菜、キャベツに代えてもOK。 メリハリのある味にしたい場合はしょうがや赤唐辛子でアクセントをつけると変化がでます。
おからは豆腐を作るときにできる豆乳を絞った残りです。食物繊維やたんぱく質、カルシウム、カリウムなどを多く含みますが、何といっても食物繊維量が多いのが特徴です。食物繊維には水に溶けるものと溶けないものがありますが、おからは主に水に溶けないタイプの食物繊維を含んでいます。腸の蠕動(ぜんどう)運動を促すので便秘予防、大腸がんの予防にもなります。 また、低カロリーで満腹感があり、ダイエットをしている人にも好都合な食材です。最近は食卓に登場する機会が少なくなりましたが、頻繁に使いたい食材です。
鶏ひき肉をマグロのフレーク缶やえび、ホタテなどに代えてうまみをプラスすると、おいしさが増します。溶き卵を加えてもよいでしょう。だしが少ないとボソボソした食感になりますので、注意しながらしっとりとしたおからを作りましょう。
宗像 伸子(むなかたのぶこ)
ヘルスプランニング・ムナカタ主宰 女子栄養大学専攻科卒・管理栄養士/山王病院、半蔵門病院栄養部に長年勤務/帝国クリニック栄養コンサルタント/東京家政学院短期大学客員教授
平成6年度(財)国民栄養協会の「有本邦太郎賞」受賞
カラー版 『一品料理500選』医歯薬出版/『1200キロカロリーの献立』日本放送出版協会/『からだにおいしい キッチン栄養学』高橋書店/『一生元気! 50歳からの健康ごはん』海竜社など著書多数。
宗像先生のホームページはこちらから。