塩分のとりすぎは、高血圧や動脈硬化の引き金になります。1日の塩分の摂取目標量は、男性で9.0g以下、女性で7.5g以下。高齢になると、味覚の低下などでつい味付けも濃くなりがちです。
しかし、塩分の制限が厳しいと食欲不振になりかねません。塩分摂取を抑えていても、調理の際の工夫によって、おいしく食事ができます。レシピを参考に、上手に塩分を控える食生活を心がけましょう。
夏になると脂がのっておいしいいさきは、良質のたんぱく質に富み、刺身、焼く、煮る、蒸すなど調理法も多彩。旬の時期に食卓にのせたい食材です。カルシウムの吸収をよくするビタミンDが多く、骨や歯を丈夫にします。また、ビタミンB2も含まれ、口内炎や肌荒れなどにも効果が期待できます。塩分を控えて薄味な分、からしを使うことで、味をカバーしています。
いさきはあじ、たい、さわら、ひらめなどに代えてもOK。溶きがらしを絡めて揚げることで辛味が消えるので、お年寄りから子どもまで食べることができます。 家庭で三枚におろすのが面倒な場合は、お店でおろしてもらいましょう。
鶏肉は良質のたんぱく質を含み、牛肉や豚肉より肉質は柔らかいのでお年寄りに好まれます。鶏肉は皮つきを使っていますが、歯の弱い人は取り除きましょう。塩分を控えて薄味な分、唐辛子の香辛料や焼いた香ばしさ、酸味などでカバーしています。焼きすぎは肉が固くなるので注意しましょう。
鶏肉は薄切りにした柔らかい豚肉や牛肉、小あじ、わかさぎ、いさきを三枚におろしたものに代えてもOK。 また、野菜はししとう、ピーマン、アスパラガスに代えてもいいでしょう。
宗像 伸子(むなかたのぶこ)
ヘルスプランニング・ムナカタ主宰 女子栄養大学専攻科卒・管理栄養士/山王病院、半蔵門病院栄養部に長年勤務/帝国クリニック栄養コンサルタント/東京家政学院短期大学客員教授
平成6年度(財)国民栄養協会の「有本邦太郎賞」受賞
カラー版 『一品料理500選』医歯薬出版/『1200キロカロリーの献立』日本放送出版協会/『からだにおいしい キッチン栄養学』高橋書店/『一生元気! 50歳からの健康ごはん』海竜社など著書多数。
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