多くの人が困っている"肩こり"。特に思い当たる節はないのに、こりや痛みで、肩の動きが悪くなったりすることがあります。その原因や対処法を知って肩こりを解消しましょう。

なぜ肩こりになる?

肩こりとは、首すじや、首の付け根から肩・背中にかけての筋肉がこわばり、だるさや重さ、疲労感、痛みなどを感じる症状のことです。したがって肩こり自体は症状なので、病気ではありません。ここでは「本態性の肩こり」と「二次性の肩こり」に分けて説明します。

本態性肩こりとは?

肩こりの多くは、病気が原因ではない「本態性肩こり」です。原因ははっきりしていませんが、姿勢の悪さや運動不足、冷え、ストレス、過労、不眠などが要因と考えられています。また、なで肩の人、華奢(きゃしゃ)な人、ストレスがかかりやすい人、デスクワークの多い人は肩こりになりやすいようです。
実際に肩こりの人を診察すると、高齢者では背骨の曲がった状態(猫背)、若い人では側弯症(図1)など、姿勢に異常が見られることがあります。また、東洋医学の視点で見ると、肩こりを訴える女性の多くに冷え症が認められます。

図1 側弯症と肩こり

小・中学生のころから肩こりや腰痛に悩んでいる人は、成長する時期に背骨が横に曲がってしまう「側弯症」になっている場合が多いようです。
レントゲン撮影で確認しないとわからない程度のものが多いですが、側弯症は、筋肉の緊張が強くなるため、肩や腰がこりやすくなります。

二次性肩こりとは?病気が原因となることも...

「本態性の肩こり」とは異なり、「二次性肩こり」は病気の症状の一つとして現れます。原因となる病気は、変形性頚椎症や四十肩、五十肩、噛み合わせの異常や歯のくいしばりなど様々です。
その他、見逃されやすいのは頭痛です。片頭痛発作や緊張型頭痛に伴う肩こりは、頭痛の治療で解消されることがあります。
また、貧血や血行不良は、血液の酸素を運ぶ力が低下し、酸素不足になることから筋肉を疲労させます。この状態で同じ姿勢をとり続けると肩がこりやすくなります。

肩こりの予防法・対処法

筋肉の疲労による肩こりは血行を良くすることで解消できます。入浴の際に浴槽やシャワーで肩や首をよく温めることが、一番手軽な方法です。また、ストレッチも効果的です(図2)。気持ちよさがあっても、痛みを感じる場合は伸ばしすぎなので、軽く伸ばすようにしましょう。
ストレスをため込まない、目の疲労をとる、バッグをいつも同じ側の肩にかけない、長時間同じ姿勢を続けない、体を冷やさないなどを心掛けると肩こりの予防や症状の軽減につながります。
肩こりは普段の姿勢も大きく影響するため、図3を参考に、日頃から正しい姿勢をとるよう心がけましょう。

図2 肩こりの予防・解消ストレッチ
図2 肩こりの予防・解消ストレッチ
図3 正しい姿勢
図3 正しい姿勢

肩こりと首の骨には深い関係が!?

正常な首の骨は、緩やかなカーブを描いており、このカーブが重い頭を支えて、衝撃を吸収する役割を果たしています(図4a)。しかし、肩こりの症状が出ている人をレントゲン撮影すると、首の骨がまっすぐになっているケースが見られます(図4b)。この状態をストレートネックと呼びます。カーブがなくなり衝撃が吸収されないことから、頭を主に首の筋肉で支えることになります。そのため、慢性的な肩こりや頭痛などの症状を引き起こします。

図4 肩こりと首の骨の関係
図4 肩こりと首の骨の関係
平沼先生
肩こりの対策をしても特定の部分に強い痛みを感じたり、痛みが長引いたりするなど、症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。
トップへ