体臭と一言でいっても種類はさまざま。40代頃から気になりはじめる「加齢臭」と「ミドル脂臭」は男性に多いと思われがちですが、実は女性も年齢を重ねるごとに体臭が強くなります。あなたは"ニオイ対策"しっかりできていますか?

気になるニオイ

地球上には、約40万種以上ものニオイの化合物があるといわれ、よいニオイといやなニオイの感じ方は、人によって異なります。現代人は、ニオイに敏感で"臭い=汚い"と思いがちですが、体のニオイは健康のバロメーターであり、病気のサインや体調の変化を知ることもできます。今回、ご紹介するのは、ニオイの中でもよく知られている「加齢臭」と「ミドル脂臭」です。

加齢臭ってどんなニオイ?

加齢臭は、文字通り加齢に伴って生じる中高年特有のニオイで、古本や枯れ草のようなニオイに例えられています。私たちの体は、皮膚のうるおいを保つために皮脂を分泌していますが、年齢を重ねると皮脂中の「パルミトレイン酸」※1と皮脂が酸化して生じる「過酸化脂質」※2が増えます。このパルミトレイン酸と過酸化脂質が結びつき、皮膚常在菌の作用によって酸化・分解されてできる物質の一つが『ノネナール』で、これが加齢臭の原因です。女性の場合、女性ホルモンによって皮脂の過剰分泌が抑えられていますが、年齢とともに女性ホルモンが減ってくると、相対的に男性ホルモンの働きが活発になります。すると皮脂分泌が促進され、加齢臭も発生しやすくなります。特に、更年期以降は、加齢臭が年々強くなるといわれています。
また、ストレスも加齢臭を強くする要因です。過剰なストレスは活性酸素を発生させ、これによって皮脂が酸化し、体臭が強くなります。さらに、そのニオイを気にすることで新たなストレスが生じるという悪循環にも陥ってしまいます。ストレスを上手に発散することは、加齢臭を抑えることにつながります。
※1 皮脂に含まれる脂肪酸の一種。
※2 中性脂肪やコレステロールなどの脂質成分が活性酸素によって酸化されたもの。

加齢臭の対策法

加齢臭は食事を見直すことで抑えられます。動物性脂肪のとりすぎに注意し、酸化を抑制する食品がよいといわれています。例えば、ビタミンCを含む柑橘類や、ビタミンEを含むカボチャやアーモンド等、また、ポリフェノールを含む豆乳やごまなどを積極的にとりましょう。

レモン、アーモンド、豆乳イラスト

ミドル脂臭ってどんなニオイ?

ミドル脂臭は、40代頃から発生しやすく、頭の後ろから首にかけて、使い古した油のような強烈なニオイがします。汗を作り出す汗線の働きが低下すると、汗の中に乳酸が分泌されやすくなります。そして、皮脂常在菌によって乳酸が分解されると「ジアセチル」という不快なニオイ成分を排出します。「ジアセチル」と「中鎖脂肪酸」が混ざることにより、ミドル脂臭に変化します。

ミドル脂臭の対策法

ミドル脂臭対策には、乳酸の発生を抑えることが重要です。ストレッチやウォーキングなどの適度な有酸素運動をおこない、夜はゆっくりと入浴(図)して血流をよくしましょう。また、梅干しや酢の物などでクエン酸を摂取し、疲労を回復させることも大切です。
更年期の女性に多いホットフラッシュや多汗症などで一気に出る汗には乳酸が多く含まれているので、汗線の機能を低下させないことを意識しましょう。空調の効いた部屋で長時間過ごしたり、運動不足になると、汗線の機能が低下しやすくなります。運動や入浴などで汗線の機能を鍛えるように心掛けてください。

汗腺を鍛え、よい汗をかく汗腺3週間トレーニング

腸肝循環とニオイの関係性

腸肝循環とは、生体物質や化学物質などが、胆汁とともに胆管を経て十二指腸に分泌され、腸管から再び吸収されて門脈を経て肝臓に戻るサイクルのことです。腸肝循環するものの中には、ニオイ物質も含まれます。この働きが悪いと、ニオイ物質が血液にまぎれこみ、汗や息が臭くなるといわれています。そのため、体臭を抑えるには、この腸肝循環を正常に機能させることが大切です。そこで効果的なのが、めかぶやもずく、納豆などの腸内環境を整える食べ物です。

※月刊みすみ記事内のイラスト
五味常明先生イラスト

生活習慣の改善でニオイ予防

ニオイケアは生活習慣の改善が第一歩です。
暴飲暴食をしない、適度な運動をする、ストレスをためないなど
生活習慣を改めると、全身の健康を保つだけでなく、
ニオイの予防にもつながります。
身近なところからニオイケアを始めてみませんか?