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転倒した高齢者の約10%が骨折しています。しかし、ちょっとしたことに注意するだけで転倒からの骨折を防ぐことができます。5つの「さ」に注意して転倒を予防しましょう。

なぜ転倒するの?

高齢者が転倒する主な原因は、加齢に伴う下肢の筋力低下で、20~30歳代の筋力を100とすると、60~70歳代では5~6割程度まで低下します。さらに、ひざ関節が十分に伸びないなどの関節機能の衰えも大きな要因です。 また、高齢者は少しの揺れでもふらつきやすい傾向にあります。東京都老人総合研究所において「目を開けた状態で20秒間その場で立っている間に、体重の重心がどのくらい揺れるか」を調べた研究によると、若い人は20センチだったのに対して、高齢者はその約3倍も重心が動くという結果が出ました。

5つの「さ」に注意

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  1. 乱雑さ
    室内の床には物を置かないようにしましょう。
    雑誌・新聞を踏んですべったり、敷きっぱなしの布団につまずいたり、暖房器具・扇風機などのコードに足を引っかけたりします。設置場所に注意し、整理整頓を心がけましょう。
  2. 段差
    高さの違う階段・でこぼこの道路・車庫などの出入り口に設置されているミニスロープ・毛足の長い絨毯・素材の異なる床材(例:畳とマット)のわずかな段差さえも引っかかりやすくなります。高齢者の歩き方は、股関節が広がりにくく、つま先から着地する傾向があるため、これらの場所では特につま先が引っかからないように注意してください。
  3. 暗さ
    足元が暗いと物につまずきやすいため、夕方になったら早めに電気をつけて部屋を明るくしましょう。また、夜中にトイレにいくときのために、廊下にはセンサーライトをつけておくとよいでしょう。
  4. 眩しさ
    西日が差す場所は、眩しくて見づらくなります。厚めのカーテンやブラインド、照明を使って室内の明るさを調節してください。
  5. 寒さ
    寒くなると足が縮こまり、歩行時にバランスを崩しやすくなります。暖かい部屋から廊下などの寒い場所に移動するときは注意しましょう。
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転倒からの骨折を防ぐためには

転ばないようにするために最も大事なことは、『足腰の筋肉を鍛えて強くすること』です。まずは、ウォーキングやショッピングに出かけて、外を歩くようにしましょう。足腰の筋肉が鍛えられるだけではなく、普段から歩き慣れておくことで、転倒に対する心構えが違ってくるため、とっさの判断がつきやすくなります。また、ウォーキングでは足を上げて大股で歩くなど、大腰筋を鍛える方法を無理のない範囲で取り入れてみるとよいでしょう。一方、「運動や外出をすると転倒しそうで不安」という人は、杖やシルバーカー(手押し歩行器)を使ってください。道具を使うと転倒だけではなく、人がぶつかるのを防ぐことにもつながります。
室内など、その場でできる運動としては、かかとを上げ下げしてふくらはぎの筋肉を鍛える、スクワットをして太もも前の筋肉を強くする、しこを踏むなどがあります。あるいは、図のように椅子を使った筋力強化体操や片足立ち(左右交互に各1~3分間。机や壁に手をついてもOK)を行うことも転倒予防につながります。

「自分1人だと続かない」という人は、親しい友人や地域の集まりなどに顔を出してみるのも一つです。無理なく自然に足腰を鍛えて、いつまでも歩ける体をつくりましょう。

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食事のポイント

食事では、たんぱく質やアミノ酸を摂ることがポイントです。特に肉類や牛乳は、血液中のアルブミン量(たんぱく質の一つ)が増えるため、筋力アップや運動後の筋肉回復に役立ちます。 また、鮭、さんま、さば、きのこ類、鶏卵などに多く含まれているビタミンDは、ふらつきの予防につながります。納豆、チーズ、牛乳、海藻類、色の濃い緑黄色野菜などに多く含まれているビタミンKは、骨にカルシウムを沈着させ、丈夫な骨をつくる働きがあります。 カルシウムとビタミン類を同時に摂取して、骨折しにくい丈夫な骨をつくりましょう。

ビタミンDを
多く含む食品
鮭、さんま、さば、うなぎ、しめじ、干ししいたけ、鶏卵 など
ビタミンKを
多く含む食品
納豆、チ―ズ、牛乳、海藻類、ほうれん草、ブロッコリー、春菊 など

カルシウムをしっかり摂れる
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