骨は簡単につくったり、つくりかえることができません。だからこそ、日頃から骨の健康を意識してカルシウムを摂るように心がけましょう。

骨の役割

成人の骨格は206個の骨で成り立っており、骨には内臓を保護する、体を動かす、体を支えるなどの働きがあります。骨の内部では血液の主要な成分である赤血球、白血球、血小板がつくられ、さらに、体の細胞に必要なカルシウムの貯蔵庫としての役割を持っています。

骨は生きている

骨は常に新陳代謝を繰り返しています。古くなった骨は破骨細胞という細胞に壊され、その壊された部位を骨芽細胞が修復し、骨を新しくつくりかえていきます。これを骨代謝といって、若い方であれば3年程度、高齢になると5~10年程度の周期で体中の骨がつくりかえられるといわれています。しかし、加齢などによってホルモンバランスが乱れると骨芽細胞の働きを破骨細胞が上回るようになります。すると、骨がスカスカになってしまい、少しの衝撃を受けただけでも折れやすくなってしまいます。これがいわゆる骨粗鬆症です。日本には1000万人以上の患者さんがいるといわれています。

図「骨のつくりかえのイメージ」

女性に多い骨粗鬆症(骨粗しょう症)

骨粗鬆症は、特に閉経後の女性に多く発症します。もともと女性は、男性に比べて骨格が小さいため骨量が少ない傾向にあります。また、閉経を迎えると骨の維持に重要な女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、骨代謝のバランスが崩れ、多くない骨量がさらに減ってしまいます。特に思春期は外見を気にして食事制限などのダイエットをする方も多く、カルシウムの摂取量が不足しがちです。他にも喫煙や大量の飲酒も骨粗鬆症のリスクが高まる要因です。骨粗鬆症予備群のチェックリストでぜひチェックしてみてください。

骨粗鬆症予備群チェックリスト.png

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防

骨粗鬆症の予防には運動が最も重要です。毎日の生活の中で家事や仕事、趣味などを積極的に楽しみながら活動しましょう。目安としては歩行なら男性8,000歩、女性は7,000歩程度の運動を、長期的に行うと骨にほどよい負荷がかかって強くなります。また、運動と同時に日光を浴びると皮膚の中でカルシウムの吸収を助けるビタミンDがつくられます。
運動の次にポイントとなるのがカルシウムの摂取です。おすすめの食品は牛乳や小魚で、骨粗鬆症の治療中の方にも重要です。さらに、ビタミンDを含む青魚や、骨の主成分であるコラーゲンの材料となるたんぱく質、骨をつくる働きを促すビタミンKを含む野菜や納豆なども摂りましょう。

カルシウムをしっかり摂れる
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