50歳以上の3人に2人が発症するといわれる「下肢静脈瘤」。足のむくみなど足に様々な不快を感じます。原因は、遺伝や加齢、運動不足などで、症状が現れないことも多く、気が付きにくい病気です。

あなたは大丈夫?「下肢静脈瘤」の症状

下肢静脈瘤とは、名前の通り、下肢(足)の静脈が瘤(こぶ)のようになる病気です。血管が膨れてボコボコと浮き出たり、血管が赤紫色に透けて見えたりします(図1)。

図1 下肢静脈瘤の症状写真
図1 下肢静脈瘤の症状写真

下肢静脈瘤が進行すると、次のような症状が見られます。

  • 夕方になると足がむくむ 
  • 夕方になると足が疲れ、重だるい
  • 足がよくつる
  • 足がほてる
  • 長時間同じ姿勢でいると、足がピリピリと痛む

さらに進行すると、湿疹や色素沈着、皮膚が硬くなる脂肪皮膚硬化症を発症することがあります。しかし、症状が現れないことも多いため、気が付きにくい病気です。まずはご自身が下肢静脈瘤かどうか下記のチェック方法で確認してみましょう。

下肢静脈瘤のチェック方法
下肢静脈瘤のチェック方法

「下肢静脈瘤」の原因とは?

下肢静脈瘤は、静脈の逆流防止弁が機能しなくなることで起こります(図2)。

図2 静脈の状態
図2 静脈の状態

弁が機能しなくなると、本来は一方向に流れている血液が逆流したり滞ったりして、下肢に血液がたまります。弁が機能しなくなる主な原因は、遺伝や妊娠・出産、立ち仕事などで、次に当てはまる方は特に注意が必要です。

  • 長時間同じ姿勢で仕事をしている(調理師やレジ係、長時間のデスクワークなど)
  • 親兄弟に下肢静脈瘤の方がいる
  • 複数回の妊娠・出産を経験している

また、加齢や運動不足、肥満によっても、下肢静脈瘤になる可能性が高まります。

ふくらはぎを動かして「下肢静脈瘤」を予防しよう

ふくらはぎの筋肉は収縮と弛緩を繰り返して、ポンプのように血液を足から心臓へ戻します。この働きが低下すると、血液をうまく押し出せなくなって、 下肢に血液がたまり、下肢静脈瘤を悪化させます。下肢静脈瘤を予防・改善するためには、このポンプの働きを高めることが重要ですので、ふくらはぎを積極的に動かして血液の循環を促しましょう。立ちっぱなしや座り仕事が多い方は、適度に歩き、休憩時は足を高くして座ることがポイントです。また、体操も効果的です(図3)。短時間で気軽におこなうことができるので、ぜひ実践してみてください。

図3 下肢静脈瘤の予防・改善におすすめの体操
図3 下肢静脈瘤の予防・改善におすすめの体操
図3 下肢静脈瘤の予防・改善におすすめの体操
図3 下肢静脈瘤の予防・改善におすすめの体操

「下肢静脈瘤」の治療法

血管外科や下肢静脈瘤専門のクリニックで、下肢静脈瘤の治療を受けることができます。よくおこなわれている治療は、レーザーや高周波電流で血管を焼き固める「血管内治療(血管内焼灼術)」です。痛みが少なく、約30分で治療が終わり、治療後も安静にする必要のないことが特徴です。その他には血管を塞ぐ「硬化療法」や、血管を引き抜く「ストリッピング手術」などがあります。命に関わる病気ではないため、直ちに治療の必要はありませんが、治療をおこなうと足の不快な症状を根本から解決することができます。血管の状態にあわせて適切な治療法を提示してくれる、信頼のおける医療機関を受診するとよいでしょう。