私たちの健康を保つために必要な「水分」。夏は特に水分が失われやすいため、正しい水分補給で乗り切りましょう。

体の約60%を占める水分の働き

突然ですが、あなたは一日にどのくらい水分をとっていますか?理想的な摂取量は、体重50㎏の場合、約2,000mL(2L)です。この量は体重により異なるため、下の式(図1)であなたの理想的な水分量を算出してみましょう。(年齢や持病、体調、環境などによっても摂取量の目安は異なります)

図1 理想的な水分量の目安
水分量
体重を入力して理想的な水分量を
確認しましょう。
kg × 40ml


理想的な水分量0ml

飲食で摂取した水分は、血液、リンパ液、細胞間液などの体液の一部として働き、体の機能を調節しています。水分の主な働きは次の通りです。

①栄養素を運ぶ

血液の半分以上は「血漿」という液体でできており、その約90%が水分。つまり、血液の半分以上は水分でできているということです。
私たちが生きていくために必要な酸素・栄養素・ホルモンや菌・ウィルスと戦う免疫細胞はすべて、この水分によって体中に送り届けられます。逆に、老廃物や体に不必要なものを運び出すのも水分です。
生命を維持するためには、水分は不可欠なのです。

②体温を一定に保つ

水には、温まりにくく冷めにくい性質があり、これを利用して体温を一定に保っています。また、暑い場所にいるときには発汗して体温が上がらないように調節しています。

③消化機能を高める

唾液や胃液などの消化液もおよそ9割が水分でできており、栄養素を分解(加水分解)・消化吸収するために水が使われています。

体の水分は、汗や息からも常に失われています。これが過剰になると脱水症状として、頭痛、便秘、むくみなど、様々な影響が体に現れます。さらに症状が悪化すれば、全身の機能不全や熱中症にも。次にあげる水分不足のサインを見逃さず、積極的に水分補給しましょう。

水分不足のサイン

①のどが渇く

「のどが渇いた」と感じたときは、すでに脱水が始まっています。のどの渇きを感じる前に水分を摂りましょう。

②トイレに行く回数が少ない

尿意の頻度は個人差があります。適切に水分補給ができていれば、日中はおよそ2~3時間に1回の間隔で尿意を催します。3時間以上、尿意を感じない場合は、水分不足の可能性があります。

③尿の色が濃い

正常な尿の色は薄い黄色ですが、脱水状態だと濃い黄色になります。これは水分不足により尿の量が減少し、尿中の色素(ビリルビン)の濃度が高くなるためです。

水分補給のコツ

何を飲めばいいの?

水分補給に適した飲み物のひとつが天然水です。その中でも「ナチュラルミネラルウォーター※」は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが溶け込んでいるため、おすすめです。
※ペットボトルの名称欄に記載されています。
お茶やコーヒーでもよいのですが、これらには利尿作用があるものもあり、十分に水分を摂っていると思っていても体内の水分が失われていることがあります。このような場合は、意識的に水もあわせて飲むのがよいでしょう。

スポーツドリンクで水分補給してもいいの?

スポーツドリンクには汗をかいたときに失われるナトリウムなどの電解質が含まれているので、おすすめです。しかし糖質も含まれているため、糖質量やカロリーも注意しなくてはなりません。運動や肉体労働などで汗をかいたときはそのまま飲んでもかまいませんが、日常生活での水分補給には水で薄めて飲んだり、塩分や糖分を調整した自家製のスポーツドリンクを用意するなど工夫してみましょう。

お酒で水分補給してもいいの?

お酒には利尿作用がある上に、代謝されるとき水を必要とするため、お酒を飲むと脱水が進んでしまう可能性があります。お酒を飲むときは、チェーサーとして水を飲みながら楽しむようにしてください。

水はいつ飲めばいいの?

図2の通り、起床時・食事中・入浴前・就寝前に加えて、1時間半~2時間おきに水を飲むことをおすすめします。また、外出時はペットボトルや水筒などで飲み物を持ち歩き、こまめに水分補給しましょう。1回あたり、コップ1杯(200mL)が目安です。一気飲みは胃腸に負担がかかるため、少しずつ飲みましょう。

図2 水分補給のタイミング

食事も大切

私たちは飲み物以外に、食べ物からも水分を摂っています。食事は一汁三菜を意識し、味噌汁などの汁物と、野菜や果物を積極的に食べましょう。

寝る前に水を飲むとトイレが心配?

通常の睡眠で尿は約5~6時間かけて膀胱にたまります。夜間の頻尿は、過活動膀胱などの膀胱機能障害や、高血圧による尿量増加、睡眠障害など、別の原因が潜んでいるかもしれません。気になる場合は、医師に相談することをおすすめします。

しっかりと水分が摂れていれば、体は健やかでイキイキとした状態になります。あなたも水分補給を見直してみませんか?
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