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アトピー性皮膚炎は、アトピー(アレルギーの一種)素因のある人に起こる皮膚病です。症状は強いかゆみを伴う湿疹で、軽快と悪化をくりかえします。また、最近アトピーの人のためのお肌のお手入れが注目されてきました。

どんな症状が出るの?

アトピー性皮膚炎はどんな症状が出るのでしょう? 日本皮膚科学会の定めた診断基準では、次の3点を満たすものをアトピー性皮膚炎としています。

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  1. かゆみがある
  2. 急性期は湿潤性が高く、慢性期になると乾燥、苔癬(たいせん)化が進む。体の左右対称に症状があらわれる
  3. 乳児では2か月以上、その他は6か月以上続く慢性症状

アトピー体質は、簡単に変えることはできません。症状を抑えながら、原因(アレルゲン)を極力近づけないことが治療のポイントです。

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幼児の体幹
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少年期

【大敵はかゆみ】

アトピー性皮膚炎が治りにくい理由の一つに、激しいかゆみがあげられます。かいてしまうと皮膚が傷つき、皮膚を刺激から守る防御(バリア)機能が低下してしまうのです。そのためアレルゲンが侵入しやすくなり、ますます症状が悪化してしまいます。
実際、かかないだけでかなり改善するようです。手袋をしたり、手足をベッドに固定したりして、かかないようにさせる治療法もあるくらいです。しかし、こうした方法を続けることは現実的に難しいといえます。一般的には、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬がよく使われています。
また、炎症症状を抑えるにはステロイド剤が有効です。「副作用が心配」という声も聞かれますが、医師は症状をよくみて使う薬の強さや期間を決めますから、それに従えば心配ないでしょう。1日に何回、どの程度の量を使うのか、また、ケースによって塗り方の注意なども異なりますので、必ず確認しておきましょう。

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スキンケアは必須

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アトピー性皮膚炎は、薬による治療のほかに、最近になって毎日のスキンケアが重要視されてきました。スキンケアによって皮膚のバリア機能を高め、刺激物質への過敏な反応を抑えるのです。

皮膚のバリア機能は、皮膚表面の皮脂膜、角質層中の水分、セラミド(角質細胞間脂質)、NMF(天然保湿因子)などにより保たれています。皮脂膜は皮膚の水分蒸発を抑えたり、皮膚表面を弱酸性の膜でおおい、細菌の繁殖を抑えたりします。セラミドやNMFは、角質層中の水分を保つ働きがあります。
これらが不十分だと、皮膚はカサカサして荒れやすくなり、バリア機能が低下してしまいます。みずみずしくバリア機能が高い皮膚にするためには、毎日のスキンケアを見直す必要があります。

洗顔や入浴の際は、皮脂分泌を促すガンマーオリザノールなどの保湿剤を含む石けんやシャンプーが適しています。入浴後や洗顔後には、保湿剤配合のクリームなどを利用するとよいでしょう。
防御力の低下した皮膚には、黄色ブドウ球菌などが繁殖して、症状の悪化に拍車をかけていることも多くみられます。入浴によりこのような細菌の8割は洗い流せるとされていますので、入浴は欠かさないようにしましょう。このように、皮膚の清潔を保つことがなによりも大切なのです。

日常生活からアレルゲンを除く

アトピー性皮膚炎の症状は、年齢によっても違いますが、慢性化してくると、乾燥して皮膚が厚くなりガサガサしてきます。皮膚のバリア機能だけでなく、免疫力も落ちており、細菌やウイルスに感染しやすいので、注意が必要です。
以前は、乳幼児の頃に発症しても、思春期頃には治ることが多かったのですが、最近は治りにくい重症例や、大人になってから発症するケースもめずらしくありません。

アトピー性皮膚炎では、アレルギーの原因となるアレルゲンを日常生活から取り除くことが、一番の予防法になります。
食品のアレルゲンで多いのが、卵白や牛乳、大豆など。
しかし、アレルゲンテストなどでアレルギーを起こす食べ物がはっきりわかっている場合を除き、食べ物をむやみに制限することは賢明な方法ではありません。 また、成人の場合のアレルゲンは、ハウスダストやダニの死骸などが多いとされています。気密性の高いマンションで生活している人は、とくに注意が必要です。
こまめに部屋の換気を心がけたり、掃除をしたりして、ハウスダストやダニをできるだけ少なくしましょう。

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