健康的なダイエットのすすめ
無理なく、健康的にダイエットするためのコツをご紹介します。
監修:蒲池桂子先生
管理栄養士 栄養学博士
女子栄養大学 栄養クリニック 教授
ダイエット方法はさまざまありますが、"食生活"と"運動"を正しい方法で無理なく行うことが成功につながるカギです。まずは基本をおさらいしましょう。
バランスのよい食事を心がけよう
健康的にダイエットをするためには、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルをきちんと摂取し、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
特に食物繊維はダイエットの味方です。水に溶ける水溶性食物繊維は、胃や腸の中をゆっくり移動するため、血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑えます。
また、お腹が空きにくく、食べすぎも防いでくれます。一方、水に溶けない不溶性食物繊維は、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促します。
極端な食事制限による無理なダイエットで体に必要な栄養素が不足すると、筋肉や骨量の減少などが起きやすくなり、体調不良につながります。
これによっておのずと代謝量が減少し、肥満やリバウンドしやすくなるのです。
食生活を見直そう
バランスのよい食事に加えて、朝食をしっかり摂って夕食をなるべく早い時間に終えることもダイエットを成功させるポイントです。
朝食
朝食を抜いてエネルギー不足になると筋肉中のたんぱく質を糖質に変え、エネルギーとして利用するようになります。 これが長期化すると筋肉量が減少し、基礎代謝が低下して太りやすくなります。また、飢餓に備えて体が脂肪を貯め込もうとして血糖値が急激に上昇します。 これを下げるために過剰にインスリンが分泌され、さらなる肥満に繋がります。
夕食
夕食は朝食の12時間後を目安に摂りましょう。 夜遅い時間の食事は、起きている間に消化できなかったエネルギー源が脂肪に変わり体内に貯蔵されるため、肥満に繋がりやすくなります。 夕食が遅くなる場合でも、0時前には1日の最後の食事を終わらせ、翌日の朝食は胃腸に負担をかけないために5時以降に摂りましょう。 毎日の食事の時間をほぼ同じくらいにすると、体にかかる負荷が減り、健康な体へと変化していくはずです。
間食とダイエット
ダイエット中に間食をする場合は、スナック菓子などは避け、脂質の少ないもの(くだもの、和菓子など)がおすすめです。 ダイエット中だからといって我慢しすぎると、それがストレスになり、反動でお菓子や食事を食べ過ぎてしまうことがあります。量や質を考えて上手に摂り、無理をしないようにしましょう。
食事で体内時計を整えよう
起床後、日光を浴びてから1~2時間以内に1日の最初の食事を摂るようにすると、体内時計がリセットされ体のリズムが整います。
また、筋肉をつくるたんぱく質と、脳のエネルギーになる糖質(炭水化物などに含まれる)を、朝食で摂ると体がスムーズに動き、運動もしやすくなります。
例えば、和食ならご飯、納豆、具だくさんの味噌汁、洋食ならパンにサラダや目玉焼きなど、いろいろな食材を組み合わせるのがポイントです。
昼食と夕食については基本的に好きなものでよいですが、食べすぎは要注意です。主食、主菜、副菜などのバランスを考えて食べましょう。
効率のよい運動を
健康的にダイエットをするなら運動も重要です。
夕方に運動すると睡眠中に筋肉が修復されるため効率がよいとされています。また、筋トレをする場合は、2日程度の間隔を空けて行うと効果的です。
高齢の方は、負荷が少ない筋トレや筋肉を刺激するストレッチなどがよいでしょう。