薬草の花

クチナシ

6月(水無月)

口内炎や傷、打撲に利用

アカネ科に属し、梅雨あけの頃、甘い香りの白い花をつけます。花が終わると、秋から冬にかけて長さ3センチくらいの長楕円形で、残存萼(ザンゾンカク)に包まれた実をつけます。
黄赤色で、いくら熟しても割れないことから、「口無し」と和名がつきました。
漢名の「梔」は、形が中国の酒器「巵(シ)」に似ていることに由来しています。

種実は繊維の染料や生薬に古くから利用されています。世界最古の薬学書である「神農本草経」にも収載され、漢方処方に数多く配合されています。
消炎、利尿、鎮静、止血、さらに充血または炎症による心煩(胸の苦しさ)を治す薬効があり、吐血や黄疸に用いられるとされています。

民間薬としての利用も多く、口内炎に直接塗布したり、打撲や挫傷に黄柏末と混ぜて酢で練り、湿布薬として用いたりします。

クチナシ
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