「のどが痛くて食事がつらい」「何を食べるべきかわからない」と悩む方は多いでしょう。

のどの痛みがあるときは、粘膜への刺激が少なく、やわらかく飲み込みやすい食べ物や飲み物を選ぶことが大切です。
また、水分や栄養を無理なく補給することも、体調管理には欠かせません。

本記事では、のどが痛いときにおすすめの食べ物・飲み物をはじめ、コンビニエンスストアで手軽に購入できる食品、避けたい食べ物、食事のコツや受診の目安までわかりやすく解説します。

のどが痛いときは食べ物選びが大切な理由

のどの痛みは、ウイルスや細菌の感染、乾燥、喫煙などによる刺激が原因となって引き起こされます。

のどが痛いときに食べ物選びが大切な理由と、食事で意識したいポイントを確認しましょう。

のど粘膜への刺激を減らすことで炎症悪化を予防する

のどに痛みがあるときは、粘膜が炎症を起こしてとてもデリケートな状態になっています。

このようなときに、唐辛子などの香辛料や熱すぎる料理を口にすると、のどの粘膜を刺激し、痛みを悪化させるおそれがあります。

症状を少しでも和らげるためには、物理的・化学的な刺激の少ない食べ物や飲み物を選ぶことが大切です。

適切な水分と栄養補給で回復を補助

のどの痛みで食事や水分が不十分になると、脱水や栄養不足をまねきやすくなり、体調の回復に影響をおよぼすこともあります。

そのため、のどへの負担が少ない食べ物や飲み物を選び、必要な栄養と水分を無理のない範囲でしっかり補給することが大切です。

無理なく栄養を摂るために、体調に合わせた食事が基本

のどの痛みの程度や体調は日によって変化するので、そのときの状態に応じて食事の形状や調理方法を工夫するのも大切です。

例えば、食材を細かく刻んだり、やわらかく煮込んだりすると、噛む・飲み込む際の負担を軽減できます。

のどの痛みが強く、固形物を飲み込むのが難しい場合は、ミキサー食や市販のとろみ剤を活用してもよいでしょう。

のどが痛いときにおすすめの食べ物

のどの痛みや不快感があるときは、飲み込みやすく消化の良い食べ物がおすすめです。
のどへの負担を抑えながら、栄養補給ができる食べ物をカテゴリ別に紹介します。

やわらかく消化に良い主食類(おかゆ・雑炊・うどん)

おかゆや雑炊、煮込んだうどんなどは、あまり噛まなくても飲み込む際の刺激が少なく、消化も良いメニューです。

風邪などで弱った胃腸への負担を減らせるうえに、無理なく炭水化物を摂れることから、のどが痛いときの主食に向いています。

のどごしが良く栄養価が高い高たんぱく食品(茶碗蒸し・卵料理・豆腐)

卵や豆腐は、食感がなめらかで飲み込みやすく、のどが痛いときにも取り入れやすい食材です。

たんぱく質を豊富に含むので、雑炊やうどんに添えると栄養バランスが良くなります。

茶碗蒸しや温泉卵、湯豆腐や温奴なども、のどへの負担が少なく食べやすいメニューです。

食欲がないときでも食べやすいデザート類(プリン・ゼリー・ヨーグルト)

のどの痛みで食欲がないときは、プリンやゼリー、ヨーグルトなどのデザート類もおすすめです。

口当たりが良く飲み込みやすいため、栄養補給ができる製品を選べば固形物が食べづらいときのエネルギー源・栄養源にもなります。

ただし、酸味の強いヨーグルトや柑橘系のゼリーなどは粘膜を刺激するので、のどの痛みがひどくなるおそれがあります。症状が強いときは、酸味の少ないものを選びましょう。

水分と栄養を同時に摂れるスープ類(野菜スープ・鶏スープ・ポタージュ)

野菜や鶏肉を煮込んだスープやポタージュは、水分とともにたんぱく質やビタミンなどの栄養素を補給しやすいメニューです。

具材や味を体調や好みに応じて調整しやすい点も、スープ類の魅力といえます。

のどが痛いときにおすすめの飲み物

のどが痛いときは、食事や水分の摂取量が減って脱水につながることがあるため、水分補給が欠かせません。

ここでは、のどへの刺激が少なく、体調に合わせて摂取しやすい飲み物を紹介します。

水・白湯

水や白湯は刺激が少なく、のどを潤すのに適した飲み物です。

特に白湯は、冷たい飲み物が苦手な場合でも取り入れやすく、胃にも負担をかけにくいので、体調不良時の水分補給に適しています。

なお、極端に冷たい水はのどへ刺激を与えることがあるため、水は常温で飲むのがおすすめです。

麦茶

麦茶はノンカフェインで粘膜への刺激が少ないので、のどが痛いときの水分補給に向いています。

カリウムやリンなどを含むため、食事量が少ないときのミネラル補給にもおすすめです。

はちみつ入り飲料

はちみつには殺菌作用や抗炎症作用があるとされています。そのため、はちみつを含む飲料は、乾燥したのどを潤すだけでなく、のどの違和感を一時的に和らげる効果が期待できます。

のどが痛いときは、温かいハーブティーや白湯にはちみつを溶かして飲むのも良い方法です。

ただし、1歳未満の乳児は乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、与えないようにしましょう。

経口補水液

のどの痛みが強くて水分や食事が十分に摂取できないと、気付かないうちに脱水を起こすことがあります。

経口補水液は、水分と糖分(ブドウ糖)、ナトリウムなどの電解質を含み、失った水分と電解質を素早く吸収できるよう調整された飲料です。

電解質の濃度が高いので日常的に飲むのは避けるべきですが、脱水時の水分補給には適しています。

のどが痛いときに意識して摂りたい栄養素

のどの機能をできるだけ早く正常な状態に近づけるため、特に意識して摂りたい栄養素を紹介します。

たんぱく質

たんぱく質は、傷ついた組織の修復や細胞の新陳代謝に欠かせない栄養素です。
また、免疫細胞や抗体の材料にもなるので、体調を崩しているときは特に意識して摂取する必要があります。

のどに痛みがあるときは、肉や魚だけでなく、卵や豆腐、ヨーグルトなど、やわらかくて飲み込みやすい食品を選ぶとよいでしょう。

ビタミンA・ビタミンC

ビタミンAは、皮膚やのどをはじめとする粘膜の健康を維持し、体の防御機能を支える栄養素です。

ビタミンCは、白血球など免疫機能の正常な働きを支えるなど、体調を整える重要な役割を担っています。

のどが痛いときは、にんじんなどの緑黄色野菜をスープにしたり、いちごなどの果物をスムージーにしたりすると、飲み込みやすくなって負担なく摂取できます。

亜鉛

亜鉛は、体内のさまざまな酵素の働きにかかわり、免疫機能の維持にも欠かせないミネラルです。
粘膜を健やかに保つビタミンAを体内にとどめる作用があり、のどの不快感の緩和にも役立ちます。

のどの痛みがあるときは、卵やチーズ、豆腐など、やわらかく食べやすい食品を取り入れてみましょう。

十分な水分

水分補給は、のどの乾燥や脱水を予防し、粘膜の防御機能を保つために大切です。

水分は一度にたくさん飲んでも排泄されてしまうので、少量をこまめに摂る必要があります。
1回につきコップ1杯程度を目安に、1日6~10回に分けて飲むようにしましょう。

自炊が難しいときに!コンビニで買えるおすすめ食品

のどが痛くて体調がすぐれないときは、食事の準備自体がストレスになることがあります。

そのようなときは、コンビニエンスストアなどで手軽に購入できる食品を上手に活用しましょう。

主食・スープ類(レトルトのおかゆ、各種パウチ・チルドスープ)

コンビニエンスストアには、温めるだけですぐに食べられるレトルトのおかゆや、パウチ・チルドタイプのスープが豊富にそろっています。

種類がいろいろあるので、体調や好みで選びやすい点も魅力といえるでしょう。

おかず・惣菜類(チルド茶碗蒸し、パック豆腐)

コンビニエンスストアの冷蔵コーナーにあるチルドタイプの茶碗蒸しやパック入りの豆腐は、調理の手間が少なく、そのまま食べられる便利な食品です。

例えば、レトルトのおかゆやスープに卵豆腐などを組み合わせれば、炭水化物とたんぱく質を一度に補えます。

デザート・軽食類(パウチ型ゼリー飲料、プリン、アイスクリーム)

パウチ型のゼリー飲料は、のどの痛みで飲み込むことが難しい状態でも摂取しやすく、水分やエネルギー補給に役立ちます。

製品によってミネラルやビタミンなど含まれる栄養成分が異なるので、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

プリンやアイスクリームは口当たりが良いため、のどの痛みで食事が進まないときにもおすすめです。

のどが痛いときに避けたい食べ物・飲み物

のどが痛いときに刺激の強い食品や硬い食品を口にすると、炎症を起こした粘膜に負担がかかるおそれがあります。症状が落ち着くまでは、以下のような食品はできるだけ控えましょう。

のどの粘膜を強く刺激する「辛味・酸味が強い食品」

唐辛子などの香辛料やスパイスがたっぷり入っているカレー、レモンなどの柑橘類、お酢を多く使った食品は、のどの粘膜に刺激を与え、症状を悪化させるおそれがあります。

物理的にのどへ負担をかける「硬い食べ物・炭酸飲料」

ポテトチップスやせんべいなどの硬い食品は、飲み込む際にのどに負担をかけ、粘膜を傷つけることがあります。

炭酸飲料は泡がはじける際にのどの粘膜を刺激するため、しみるような痛みを感じることもあるでしょう。

のどを乾燥させる「アルコール・カフェイン含有飲料」

アルコールやカフェインには利尿作用があるので、摂取量が多くなるとのどの乾燥や脱水をまねく可能性があります。

また、ウイスキーなどのアルコール度数の高い飲料は、のどの粘膜を刺激しやすいため要注意です。

粘膜にダメージを与える「極端な温度の食品」

熱すぎる飲み物・食べ物は、のどの炎症箇所を刺激して症状を悪化させることがあります。

適度に冷たい飲み物やアイスクリームは痛みを和らげることもありますが、冷たすぎると刺激になる場合もあります。

のどの痛みで食欲がないときの食事のコツ

のどの痛みが強いと飲み込むたびに刺激を感じるので、食事を摂ること自体がつらくなってしまいます。

のどへの負担をできるだけ軽くしながら、無理なく食事を摂るコツを見ていきましょう。

少量を数回に分けて食べる

一度にたくさん食べると飲み込む回数が増えるので、のどへの負担が増します。

風邪のときは胃腸の働きも弱まりがちなので、1日3回の食事にこだわるのではなく、食べられるタイミングで少しずつ食事を摂り、栄養やエネルギーを補いましょう。

固形物を無理に食べるより水分補給を優先する

のどの炎症が強くて物を飲み込むのがつらいときは、痛みを我慢して固形物を摂る必要はありません。

ただし、食事の量が減ると脱水のリスクが高まります。

まずはスープや白湯などで、こまめに水分を補給するようにしましょう。脱水を起こしている場合は、経口補水液がおすすめです。

どうしてもつらいときは「無理に食べない」選択も

のどの痛みが激しくて唾を飲み込むのもつらいときは、無理に食事を摂らず、胃腸を休めましょう。
症状が落ち着くまでは水分補給を優先し、自分のペースで少しずつ食事を再開することも大切です。

なお、飲んだり食べたりできない状態が長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

関連記事:のどが痛くて飲み込むのもつらい......原因別のケアと市販薬の選び方

こんなのどの痛みは我慢せず医療機関を受診しましょう

のどの痛みはセルフケアで改善することが多いですが、なかには医療機関での診察や治療が必要なケースもあります。
次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

高熱と激しいのどの痛み

38℃以上の発熱が続き、強いのどの痛みで唾を飲み込むのもつらいなどの症状がある場合は、症状が重症化しやすい細菌感染症の可能性があります。

咳や鼻水は出ていないが扁桃が大きく腫れている、白い付着物(膿)がみられる、といった症状がある場合は、特に気を付けなければなりません。

呼吸が苦しい

のどの痛みに加え呼吸の苦しさがある場合には、のどの腫れによって空気の通り道が狭くなっている可能性があります。

息苦しさがある、唾も飲み込めずよだれが出る、声が出しにくいなどの症状がある場合は、急性喉頭蓋炎などの緊急性が高い病気の可能性があるため、速やかに医療機関を受診しましょう。

のどの痛みが1週間以上続いている

一般的な風邪の場合、発症から3日目頃に症状がピークに達し、7~10日程度で緩和するとされています。

しかし、改善の兆しがなく症状が長引いている場合は、細菌感染症や別の病気の可能性が否定できません。自然治癒が難しい場合もあるので、1週間以上のどの痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。

のどの痛みと食べ物に関するよくある質問3選

のどの痛みと食べ物・飲み物に関してよくある疑問に対して、日常生活で役立つ対処法や注意点を紹介します。

Q.のどが痛いときに、紅茶やコーヒーは飲んでもいいですか?

A.紅茶やコーヒーは、のどが痛いときでも飲むことは可能です。

ただし、利尿作用のあるカフェインを含んでいるので、水分補給を目的として飲むのは避けましょう。カフェインには覚醒作用もあります。
睡眠の質が悪くなると、症状の改善に必要な休息を妨げることもあるため、飲み過ぎに注意しましょう。

なお、のどが痛いときは、水や白湯、ノンカフェインの麦茶などがおすすめです。

Q.のどが痛いときは、栄養ドリンクを飲んでも大丈夫ですか?

A.栄養ドリンクの多くは医薬品または医薬部外品に分類されています。
のどの痛みで食事が十分に摂れないときや、風邪などによる疲労感があるときは、栄養補給や体調管理に役立つでしょう。

ビタミンB群やタウリンなどの疲労回復に役立つ成分のほか、抗炎症作用が期待できるグリチルリチン酸などを配合した製品もあり、のどの不快感が気になる場合の選択肢となります。

ただし、栄養ドリンクにはカフェインを配合している製品もあります。体をしっかり休ませたい方は、ノンカフェインタイプを選ぶとよいでしょう。

Q.のどが痛いとき、どのような飴がおすすめですか?

A.のどが痛いときは、医薬品や医薬部外品ののど飴がおすすめです。

医薬品や医薬部外品ののど飴は、有効成分として抗炎症成分や殺菌成分などを配合しているものもあります。
医薬品ののど飴は鎮咳・去痰成分を含む製品もあるので、のどの状態に合うものを選べば症状の軽減が期待できます。

医薬部外品ののど飴は、コンビニエンスストアやスーパーなどでも購入できます。

また、のどの腫れや痛みがある場合には、のど飴ではなく桔梗湯(ききょうとう)や甘草湯(かんぞうとう)などの漢方製剤が用いられることがあります。これらはのどの炎症をしずめ、のどの痛みや腫れを軽減する効果が期待できます。

ただし、漢方製剤はのど飴とは異なり体質に合った製品を選ぶことが大切です。使用する際は、効能・効果を確認し、ご自身の体質と症状に合ったものを選びましょう。

まとめ:つらいのどの痛みは、食べ物選びと食事の工夫で乗り切る!

のどの痛みがあると食事や水分が十分にとれず、体力が落ちたり、脱水につながったりすることがあります。

回復を促すためにも、のどごしが良く消化しやすい食べ物を選び、たんぱく質やビタミンA・C、亜鉛などの栄養素を摂取することが大切です。
ただし、香辛料やアルコールなどのど粘膜への刺激が強いものは控えましょう。

食事は一度にたくさん食べようとせず、少量を複数回に分けて食べることもポイントです。固形物に抵抗がある場合は白湯やスープ、脱水を起こしている場合は経口補水液などで水分補給をしましょう。

なお、水すら飲み込めないほど激しいのどの痛みや高熱、息苦しさなどがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

先生

【この記事の監修者】

<名前>
斉藤 雅也(さいとう まさや)

<資格>
日本内科学会認定医/日本肝臓学会専門医/日本消化器病学会専門医/日本超音波医学会専門医/日本消化器内視鏡学会専門医

<プロフィール>
神戸大学医学部附属病院等の最前線で長年消化器・肝臓内科の臨床と研究に従事。医学博士。 標準治療では回復が困難な進行した肝炎や肝硬変に対し、新たな選択肢としての「肝臓再生医療」にいち早く取り組む。また、肝硬変患者さまの中で合併症(潜在性肝性脳症)を有する割合を明らかにし、カルニチンによる潜在性肝性脳症の治療効果を世界で初めて報告するなど、国際的な英文医学誌への論文掲載実績も多数(代表論文:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224)。科学的根拠に基づいた高度な専門知識と精緻な診断で、患者様の肝臓を守るサポートを行う。

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