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全身性強皮症の症状と診断
レイノー現象のほか、さまざまな症状があらわれることがあります
全身性強皮症で比較的よくみられる自覚症状としては、次のようなものがあります。
レイノー現象 | 冷えなどの刺激によって手や足の指に血行障害が起こり、白~紫色になり、しびれや痛みなどを感じる。全身性強皮症の最初の症状であることが多く、約90%の患者さんにみられる。 |
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皮膚症状 | 皮膚が硬くなる。皮膚の色が黒くなったり、一部が白くなったりする(色素異常)。指先などに潰瘍ができる。毛細血管が拡張する。 |
消化器症状 | 食道下部が硬くなり、胃酸が食道に逆流して胸やけ、胸のつかえ、逆流感などを感じる。 |
肺症状 | 肺が硬くなり、息切れや咳、疲れやすさなどを感じる。 |
腎症状 | 腎臓の血管に障害が生じて高血圧となり、頭痛やめまい、吐き気などを感じる。 |
そのほか | 関節症状(痛み、曲げ伸ばしのしづらさ)、便秘、下痢など |
皮膚の硬さや自己抗体の有無を調べます
全身性強皮症を診断するためには、いろいろな検査で全身をよく調べることが必要です。
特に指先から前腕、上腕にかけての皮膚の硬さや皮膚のつまみにくさは、全身性強皮症によくみられる症状のため、医師が皮膚をつまんで硬さを調べる検査や皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる「皮膚生検」を行います。
血液検査では、自己抗体の有無や種類を調べる検査が重要です。
全身性強皮症で検出される、主な自己抗体
自己抗体 | 頻度 | 臨床的特徴 | 保険 収載 |
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抗セントロメア抗体 | 20-30 % | lcSSc ・細胞の核にあるセントロメアと呼ばれる部分に対する自己抗体全身性強皮症の患者さんでは約30%が陽性となる。 |
有 |
抗トポイソメラーゼⅠ抗体 | 20-30 % | dcSSc
・細胞の核にあるトポイソメラーゼⅠと呼ばれる酵素に対する自己抗体で、全身性強皮症の患者さんでは約40%が陽性となる。 |
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抗RNAポリメラーゼⅢ抗体 | 6 % | dcSSc ・全身性強皮症の患者さんでは約6%が陽性となる。 |
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抗U1RNP抗体 | 6-7 % | lcSSc (MCTD) ・混合性結合組織病の患者さんでは高い確率で陽性となる。 |
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抗U3RNP(Fibrillarin)抗体 | 4-10 % | dcSSc (2/3)/lcSSc (1/3) | 無 |
抗Th/To 抗体 | 2-5 % | lcSSc | |
抗PM/Scl 抗体 | <2 % | lcSSc (筋炎を重複) | |
抗NOR90(hUBF)抗体 | <5 % | lcSSc (SjSやRAでも陽性) | |
抗Ku抗体 | <2 % | lcSSc (筋炎を重複) | |
抗U11/U12RNP抗体 | 1-3 % | dcSSc/lcSSc | |
Stochmal A et al: Clin Rev Allergy Immunol 58:40,2020 難病情報センター ホームページ(2021年6月現在)より作成 |
dcSSc (diffuse cutaneous Systemic sclerosis): びまん皮膚硬化型
lcSSc (limited cutaneous Systemic sclerosis): 限局皮膚硬化型
MCTD(Mixed connective tissue disease):混合性結合組織病
SjS(Sjoegren syndrome):シェーグレン症候群
RA(Rheumatoid arthritis):関節リウマチ