知っておきたいITPのこと
知っておきたいITPのこと

慢性ITPの治療

血小板数3万/μL以上で出血がない状態を目指します

血小板数が3万/μL未満になると出血が起こりやすくなりますので、治療では、血小板数3万/μL以上で出血がない状態を目指します。血小板数が3万/μL以上で出血のない、または少ない方は、特別な治療はせずに注意深く経過をみていきます。

慢性ITPの治療

治療方法 特徴・治療内容
ヘリコバクター・
ピロリ菌の除菌
  • ITP診断後、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているかどうかを確認
  • 抗生物質と胃薬で1週間除菌すると、半数ほどの方は血小板が回復する
副腎皮質
ステロイド療法
  • 抗体の産生やマクロファージによる血小板の破壊を抑える目的で行われる
  • 薬を止めると、せっかく回復した血小板数が元に戻ってしまうこともある
  • 少量を長期にわたり飲み続けなければならない場合もある
トロンボポエチン
受容体作動薬
  • 血小板を産生する「トロンボポエチン」という血液中のたんぱく質に代わり、血小板を増やすお薬
  • 経口剤と注射剤があり、どちらも治療を継続する必要がある
抗CD20モノクローナル抗体
  • Bリンパ球に作用して抗体を減らすことにより、血小板減少を抑えるお薬
脾臓摘出術
  • 脾臓を摘出するための手術
  • 腹腔鏡手術という、からだに負担の少ない方法で脾臓を摘出できるようになり、入院期間が短くてすむようになった

【参考】柏木浩和 他. 厚生労働省難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班:
「ITP治療の参照ガイド」作成委員会, 臨床血液 60: 877-896, 2019