知っておきたい天疱瘡のこと
知っておきたい天疱瘡のこと

天疱瘡の治療

天疱瘡の治療では、寛解が維持されることを目指します

天疱瘡の治療では、症状が鎮静化された状態である寛解が維持されることを目標とします。完全寛解とは、症状を全く認めない状態をいいます。部分寛解とは、ほんの一部症状が残っているものの、生活に支障をきたさない状態をいいます。初期の治療をきちんと行い、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)による治療のみで寛解が維持できることを目指して、治療を進めていきます。

天疱瘡診療ガイドライン作成委員会: 天疱瘡診療ガイドライン. 日皮会誌: 120(7), 1443-1460, 2010

ステロイドの内服は、病気の原因となっている自己抗体の産生を抑えるために行います。ステロイドのみでは効果が十分に得られない場合は、免疫抑制薬や大量γ-グロブリン療法、血漿交換療法、抗CD20抗体療法などを併用します。

また、みずぶくれやびらんのある部位に、抗生物質やステロイドが入った軟膏などを使用します。

治療方法 特徴・治療内容
副腎皮質ホルモン薬
(ステロイド)
自己抗体の産生を抑えるために使用します。
免疫抑制薬 ステロイドと併用して使用し、免疫を抑制します。
大量γ-グロブリン療法 ステロイドでは十分な効果が得られない場合やステロイドを減量する必要がある場合に行います。広く免疫を抑制することなく効果が期待できることが特徴です。
血漿交換療法 ステロイドでは十分な効果が得られない場合やステロイドを減量する必要がある場合に行います。血液中の自己抗体を取り除くことで、症状の改善を目指します。
抗CD20抗体療法 Bリンパ球を除去することで、自己抗体を減らします。