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菌について

除菌すべき細菌やウイルス

細菌やウイルスとは

「細菌」は、生育に適した温度と湿度、それに栄養源があれば、自分自身でどんどん増殖していきます。
一方、「ウイルス」は細菌よりもさらに小さく、単独では増殖できないのが特徴。そのため、最適な環境があっても、ほかの生物に寄生することで、増殖を確立します。

除菌すべき菌、しなくてもよい菌

新型コロナウイルスの流行で、除菌は日常に欠かせない習慣となりました。しかし、菌はもともと人の身体のなかにもたくさん存在しているもの。例えば、ビフィズス菌や乳酸菌などは、腸内フローラのバランスを整えて、人間の腸をすこやかに保ってくれます。健康を助けてくれる菌なら、身体から除去する必要はありません。

反対に気をつけたいのは、食中毒を起こすような細菌。カンピロバクターや病原性大腸菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなどは、しっかりと取り除きたい菌です。

また、ウイルスは基本的に病原体の一種。悪い細菌と一緒に、しっかりと除去したいものです。

感染症を引き起こす細菌やウイルス

日常には、さまざまな細菌やウイルスが潜んでいます。なかでも気をつけて除菌したいのは、感染症を引き起こすもの。どんな種類があるのか、症状と合わせてチェックしておきましょう。

「子どもたちへの感染拡大でとくに注意したいのは、感染力が強くて症状も激しいノロウイルスやロタウイルス。小学生以上はマイコプラズマもよく流行します。肺炎球菌や麻疹といった予防接種がある感染症は、国内ではあまり流行らなくなってきました。しかし、感染症を引き起こす菌やウイルスは、つねに身近にあるもの。手洗いや除菌を徹底しておいて損はありません」
(保田 典子 先生)

それぞれの菌に効く「除菌成分」

一般家庭で使われる除菌成分は、おもに「アルコール製剤」と「次亜塩素酸ナトリウム」。アルコール製剤はエタノールを主成分としており、濃度70%がもっとも高い除菌効果を発揮します。一般的な菌はほぼ除菌できますが、ノロウイルスやロタウイルスなどには十分な効果がありません。

次亜塩素酸ナトリウムは、菌体を酸化分解することで強い作用を示します。また、通常の細菌から、アルコールが効きにくいウイルスまで、幅広く除菌できることが特徴です。

季節ごとに気をつけたい菌

季節ごとに流行する感染症といえば、夏は食中毒、冬はインフルエンザが思い浮かぶのではないでしょうか。暑い夏は、カンピロバクターや病原性大腸菌など、食中毒を起こす細菌が増えやすくなるのです。冬はインフルエンザやRSウイルスなど、風邪症状を起こすウイルスの感染が、どんどん広がります。

そのほか、子どもたちに流行しやすい病気もあります。夏は、風邪症状にくわえて発疹や口内炎を伴う手足口病やヘルパンギーナ、アデノウイルス、プール熱。冬は溶連菌感染症や水ぼうそう、ノロウイルスやロタウイルスからくる胃腸炎に注意が必要です。

子供がかかりやすい!感染症・病気カレンダー

  • 岡部信彦・岩本愛吉・大西真・西條政幸・谷口清州・野崎智義・宮崎義継「感染症予防必携 第3版」P.124, 127, 129, 141, 143, 283, 334, 548を参考に作成
  • 国立感染症研究所「マイコプラズマ肺炎とは|感染症情報」(感染症情報センター、最終閲覧日 2020/10/09)を参考に作成

プロフィール紹介

  • 阿部 章夫 教授

    北里大学 大村智記念研究所 教授、細菌学会評議員、細菌学会関東支部 支部長。細菌の生存戦略を分子レベルで理解し、感染現象における仕組みの解明に取り組む。薬剤耐性を生じない抗感染症薬の開発にも取り組む。「もっとよくわかる!感染症」(羊土社)執筆。

  • 保田 典子 先生

    医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師、子どもの心相談医。2003年筑波大学医学部卒業。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応。