貧血の解消法

貧血を解消しよう

貧血を解消するための日常生活の注意点や食事について解説します。

1. 貧血の診断方法

 貧血の自覚症状があったり、思い当たる症状が続いていたりすれば、積極的に医療機関を受診して血液検査をしましょう。 ヘモグロビンが男子14g/dL以下、女子12g/dL以下では貧血が疑われ、男子13g/dL以下、女子11g/dL以下は貧血といえます。この中間の値の場合には、鉄欠乏の有無(血清鉄、フェリチン、総鉄結合能)など他の検査値や、パフォーマンスの状態などから判断します。

 採血されているアスリート

2. 貧血の治療

 貧血の治療の主体は鉄剤(造血剤)の服用で、食生活の改善で再発を予防します。軽度の貧血なら強度を落として練習しても構いませんが、日常生活で症状がある場合は、練習を中止します。服薬は貧血が改善した後も、貯蔵鉄(フェリチンの値)が十分になるまで最低でも3ヵ月は続ける必要があります。

★コラム:安易な鉄剤注射はNG 即効性を求めて鉄剤の注射を続けることは危険です。
鉄剤注射を繰り返すと鉄過剰となり、肝臓障害などを起こすことがあります。
医師が必要と判断した場合のみ受けるようにしましょう。

3. 貧血予防は食事から

 貧血の一番の予防は、食生活を改善することです。 まず鉄分の摂取を心がけましょう。鉄分には肉や魚類などに多く含まれる「ヘム鉄」と、野菜や海藻、乳製品、卵などに多い「非ヘム鉄」があります。非ヘム鉄はヘム鉄に比べ吸収率が低いので、動物性食品やビタミンCと一緒にとると吸収率がアップします。また、食材の種類をできるだけ多くして、他の栄養素もバランスよく摂ることが大切です。 食事に注意しても鉄欠乏性貧血を繰り返すときや、月経過多、鉄の需要が高まる高地トレーニングなどでは、予防として鉄剤を摂ってもよいでしょう。

役割 ヘモグロビンの原料になる
食品 ヘム鉄 : レバー、赤身の肉・魚
非ヘム鉄 : ほうれん草、ひじき、大豆
たんぱく質
役割 赤血球をつくる
食品 魚、肉、卵、豆類
ビタミンC
役割 鉄の吸収を高める
食品 いちご、ブロッコリー、みかん
ビタミンB群(B12・B6・葉酸)
役割 血液をつくる
食品 納豆、卵、マグロ、レバー、ほうれん草

貧血予防に役立つ栄養素とそれを含む食品
※塩分、脂質の摂り過ぎには気をつけてください。

★コラム:タンニンに注意!
お茶、コーヒー、紅茶などに含まれるタンニンは、鉄の体内への吸収を悪くします。
食事や鉄剤服用の前後30分程度は避けるようにしましょう。

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