近日中に大切な予定があるのに風邪をひいてしまった、または風邪のつらい症状に悩まされている。
このような場合「早く治したい」と考える方は多いでしょう。
風邪を早く治すには、水分補給や食事、休養だけでなく、温度や湿度などの環境にも気を配ることが大切です。
また、風邪を長引かせる要因も把握しておくとよいでしょう。
この記事では、風邪を早く治すための対処方法や風邪が長引く原因、医療機関を受診すべきタイミングについて解説します。併せて、手軽に行なえる風邪の予防方法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
風邪とは、医学的には「風邪症候群」などと呼ばれ、鼻やのどなどの気道にウイルスや細菌が感染することで炎症が起き、発症するものとされています。風邪の主な原因となるウイルスは200種類以上あるとされ、種類によって起きる症状や持続期間が異なるのが特徴です。
風邪については、以下の記事でも詳しく解説しています。
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風邪をひいたときに見られる症状としては、以下のようなものが挙げられます。
風邪をひくと、まずはのどの違和感や痛み、微熱といった症状から始まり、段階的に咳や鼻の症状が出てくるケースが多いとされています。
ただし、現れる症状は原因となるウイルスや細菌によってさまざまです。また、感染した人の体調によって症状の感じ方が変わる場合もあります。
風邪が治るまでの期間は、原因となるウイルスや細菌によって変動しますが、一般的には発症してから1週間~10日前後とされています。初期症状は2~3日目をピークとして、次第に改善していくのが特徴です。
ただ、咳などの一部の症状については、治まるまで2週間~1か月程度と長引くこともあります。
ここからは、早く風邪を治すためにおすすめの対処方法を紹介します。いずれも重要かつ手軽に実践できる方法ですので、風邪を早く治すためにも、ぜひ参考にしてください。
風邪をひいていると、発汗量の増加や発熱、食欲不振などが要因で、脱水状態になりやすくなります。脱水状態が続くと、免疫力の低下を招きかねません。適度な水分の補給が脱水状態を防ぎ、風邪を早く治すことに役立ちます。
風邪をひいたときの水分補給では、こまめに少しずつ、室温程度の水を飲むよう心がけるのがポイントです。この際、経口補水液やスポーツドリンクを活用するのもよいでしょう。ただし、経口補水液は日常の水分補給目的に飲むものではないため、あらかじめ製品に記載されている摂取量を確認してください。
また、カフェインが含まれるものは休息の妨げになったり、利尿作用から脱水症状が促進されたりするおそれがあるため、避けたほうが無難です。
風邪を早く治すには、必要な栄養素をしっかり補給することも大切です。
必要な栄養素としては、例えば免疫力に影響するビタミンCが挙げられます。ビタミンCは、野菜や果物などに豊富に含まれるものです。また、ビタミンAやタンパク質、亜鉛も粘膜の維持や免疫機能のサポートなどにつながるため、積極的にとるとよいでしょう。
なお、消化や体調に負担がかかるおそれがあることから、脂っこいものや極端に冷たいものは避け、おかゆや煮込んだうどんなどの消化に良い食べ物を選ぶのがおすすめです。無理に食べる必要はありませんが、体調を考慮しながら少しずつ食べるとよいでしょう。
風邪をひいたときにおすすめの食べ物や栄養素については、以下の記事でも詳しく解説しています。
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風邪をひいたときにおすすめの食べ物や栄養素は?避けたい食べ物も紹介
休養や睡眠が不足すると、風邪の治りが遅れるおそれがあります。風邪をひいている最中は、免疫機能がウイルスなどの排除で働くため体力を消耗しやすく、十分な休養や睡眠をとらないと回復に必要な体力が維持できないからです。
風邪を早く治すには休養や睡眠を十分にとることが欠かせません。しっかりと休むことで体力も回復し、免疫の働きを助ける効果が期待できるでしょう。
部屋が乾燥していると、咳やのどの痛みなどの症状が強くなる可能性があります。症状を和らげるためにも加湿器や濡らしたタオルなどを使い、部屋の湿度を高め(目安は50~60%)に保つのがおすすめです。
室内の加湿には、ウイルスの増殖を抑えたり、鼻やのどの粘膜のバリア機能を保ちやすくしたりする効果も期待できます。
また、風邪を早く治すには部屋の温度管理も重要です。ウイルスが生存しにくい環境にするには、室温を約20~25℃を目安にするとよいでしょう。
風邪をひいたとき、体は体温を上げることで免疫を活性化させ、ウイルスなどの増殖を抑えて排除しようとします。こうした免疫の働きをサポートするためにも、以下のような方法で体を温めるのがおすすめです。
また、温まった体を冷まさないようにする工夫も大事です。例えば、汗をかいたら都度着替えるようにするとよいでしょう。
風邪の症状を早く緩和するには、市販薬の活用も一つの選択肢です。ただし、市販薬はあくまで症状に働きかけるものであり、風邪の原因であるウイルスや細菌を排除する効果はない点に留意しましょう。
市販薬を選ぶ際は、抑えたい症状に合わせて成分をチェックするのがポイントです。例えば、咳・痰には鎮咳成分や去痰成分、発熱には解熱成分、鼻水・鼻づまりには抗ヒスタミン成分などが有効とされています。
風邪が治るまでの一般的な期間は、1週間~10日程度です。ただし、ときにはさまざまな要因によって風邪が長引いてしまうこともあるでしょう。
ここからは、風邪が長引く主な原因について解説します。
飲酒によってアルコールを過剰に摂取すると、のどの粘膜が傷つき、病原菌の侵入を防ぐ機能が低下する可能性があります。その結果、風邪をひきやすくなるだけでなく、風邪が長引く状態を招きます。加えて、過度な飲酒によりアルコールが肝臓に負担をかけ、免疫力が低下するリスクも見過ごせません。
喫煙も、タバコの煙に含まれるニコチンやタールなどの有害物質の作用により、免疫力の低下につながるおそれがあるため注意すべきです。
風邪をひいているときに無理な運動をすると体力を消耗してしまい、回復が遅れかねません。
風邪による発熱や炎症が起きているとき、体は免疫システムを働かせるためにエネルギーを消費しています。無理な運動を行なうとこのエネルギーが不足し、回復の遅れにつながるのです。
また、体温調節機能に負担がかかり、脱水症状や熱中症が生じるリスクもあります。無理な運動はせず、休養に努めましょう。
飲酒や喫煙、無理な運動のほか、ストレスや加齢、睡眠不足などの要因により免疫力が低下すると、風邪が長引く可能性があります。風邪が長引いた結果、ほかの細菌などが入り込んで二次感染につながると、別の不調を併発するおそれもあるでしょう。
また、特に高齢の場合、加齢にともなう免疫力の低下に加えて、持病を有していることも少なくないため、風邪の症状に気付かず、長期化してしまうリスクもあります。
朝夕の気温差が大きい季節の変わり目や、春など生活環境が変化しやすい時期は、自律神経のバランスが崩れやすくなります。その結果、免疫力が低下し、風邪が長期化する可能性も少なくありません。
風邪の症状が長引くように思える場合、ほかの病気が原因となって、風邪に似た症状が現れている可能性があります。その場合、どのような症状が出ているかをチェックし、次項で解説するタイミングや症状のサインも参考にして、医療機関の受診を検討しましょう。
軽い風邪の場合、自宅での対応や市販薬の使用で改善が期待できるケースが多く見られます。ただし、症状が長引く場合や、以下のように重い症状が見られる場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
上記のような症状が見られる場合、風邪以外の別の病気の可能性も考えられます。また、一度は症状が改善したものの再び悪化してきている場合や、持病がある場合も、念のため医療機関の受診を検討するとよいでしょう。
風邪は、かかってから早く治すために対処することも重要ですが、かからないように日頃から対策しておくことも大切です。ここからは、おすすめの風邪予防方法を紹介します。
風邪の原因となるウイルスは、手の指を介して体内に侵入しやすいため、こまめな手洗いを心がけることが大切です。例えば、帰宅時や食事の前後、料理の前、公共機関など不特定多数の人が触る場所を触ったあとには、手を洗うようにしましょう。
また、うがいもおすすめです。うがいは、のどの洗浄を通じて、粘膜の防御機能の維持や感染症の予防に役立ちます。寝起きや食事の前後、会話をしたあとなどに行なうとよいでしょう。
人の多く集まる場所では、飛沫感染や空気感染により風邪をひいてしまうリスクが高まります。マスクの着用によって、感染のリスクを下げられるだけでなく、のどや鼻の粘膜を乾燥から守る効果も期待できるでしょう。
加えて、マスクは自分が風邪をひいているときに着用することで、人に移してしまわないための対策にも役立ちます。
栄養バランスの取れた食事を規則正しくとることで、免疫システムの働きを維持するエネルギーの補給につながり、体力維持や免疫力アップに役立ちます。
3食をきちんととることはもちろん、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの「5大栄養素」を意識した食事内容にすることも大切です。なかでも、タンパク質は免疫細胞の素になり、ビタミンには免疫機能をサポートする働きがあるとされているため、積極的に摂取するのがおすすめです。
日頃から質の良い睡眠をとることで、体力の回復に加えて免疫力アップが期待できるとされています。睡眠の質を高めるには、以下を心がけるのがポイントです。
なお、どのくらいの睡眠時間がベストなのかは人によって異なります。自分にとって最適な長さの睡眠時間を確保することが大切です。
適度な運動を日々の習慣にすることで代謝が向上し、免疫の活性化にも役立ちます。例えば、ウォーキングやラジオ体操など手軽にできる範囲の運動を続けるのがおすすめです。
なお、激しい運動はかえってストレスや疲労につながるおそれがあるため、気を付けましょう。自分にとって無理せず続けられる範囲の運動量を心がけてください。
季節の変わり目など、寒暖差が大きい日は体温調節が難しく、風邪をひいてしまう要因になりかねません。状況に応じて着脱できるような服装を心がけ、体温調節をこまめに行なうのがおすすめです。
例えば、カーディガンや薄手のジャンパーなど、気温に合わせて着脱しやすいアイテムを服装に取り入れるとよいでしょう。また、レッグウォーマーや長めの靴下など、体の末端を温められるアイテムを活用するのもおすすめです。
ここからは、風邪を早く治す方法に関する疑問と、その回答を紹介します。
風邪をひいていても、体調次第では入浴しても問題ないとされています。ただし、高熱が出ているときは避けるほか、湯冷めしないように注意しましょう。
また、入浴すると発汗量が増え、体内の水分不足から脱水状態になるおそれがあります。そのため、入浴前後に水分をとるよう心がけることが大切です。
なお、入浴する際は、お湯の温度や入浴時間にも注意が必要です。高温のお湯への入浴や長時間の入浴は、体力を消耗させます。お湯の温度は38〜40℃くらいを目安にして、長時間入り過ぎないように注意しましょう。
風邪をひきやすいのは、飲酒や喫煙、睡眠・運動不足、ストレス、食生活の乱れなどが要因となり、免疫力が低下している人です。
また、風邪のウイルスを持つ相手と接触する機会が多い人も風邪をひきやすいといえます。例えば、職場や学校、商業施設など、多くの人が集まる場所に行く機会が多い人です。
風邪だと思われるケースで医療機関を受診する際は、気になる症状や特につらい症状、また患者に合わせて、以下のような診療科が候補となります。
風邪を早く治すには、水分補給や栄養補給のほか、十分な休養と睡眠、部屋の温湿度管理などが重要です。併せて、体を温めたり、症状に応じて市販薬で対応したりするのもよいでしょう。
また、風邪をひいてからの対処も大切ですが、日頃から風邪をひかないよう予防することも重要です。手洗いやうがいの習慣化、マスクの活用、規則正しい食生活と良質な睡眠の確保、適度な運動の取り入れなどがおすすめです。
風邪をひいてからなかなか症状が治まらない場合は、医療機関の受診も検討しましょう。
竹村 俊輔(たけむら しゅんすけ)
日本糖尿病学会 糖尿病内科専門医
日本内科学会 内科認定医
日本禁煙学会 認定指導者
日本医師会認定産業医
医学博士
糖尿病・代謝内科(糖尿病・生活習慣病)、禁煙治療 他
日本糖尿病学会/日本内科学会/日本禁煙学会 他
東海大学医学部卒業後、済生会川口総合病院で初期研修を修了。
東京女子医科大学 糖尿病・代謝内科に入局し、大学院(内科学第三)修了後、同科助教として診療・研究に従事。
2021年、日暮里内科・糖尿病内科クリニック 院長に就任。2023年、医療法人社団ミレナ会 理事長に就任。
糖尿病・生活習慣病を専門とし、産業医としても活動する。
日本テレビ『ZIP!』、フジテレビ『めざましどようび』他に出演。
2017年 東京糖尿病性腎症セミナー 最優秀賞を受賞。
日暮里内科・糖尿病内科クリニック 公式サイト
https://nipporinaika-clinic.com/