風邪をひいてしまったときに、大切にしたいのが食事です。
風邪のウイルスと闘うためには、体力を維持しながら免疫機能を働かせることが大切です。
食事で栄養をしっかり摂ることは、 風邪を早く治すうえで重要なポイントとなるでしょう。
より役立つ食事にするなら、体力や免疫力などの向上につながる栄養素を摂るべきです。
栄養素を上手に補給して、風邪の症状を和らげましょう。
今回は、風邪をひいたときに摂りたい栄養素や食材、風邪で食欲がないときの対処法、
風邪のときに避けるべき食材について解説します。
記事を参考にして、食事の内容を工夫してみてください。
風邪を治すためには、免疫力を上げることが重要です。特に発熱時には、免疫系がウイルスと闘い、排除するため免疫反応が活発になり、多くの体力やエネルギー、ビタミンなどを消耗してしまうのです。そのため、体に負担がかからない程度に食事を摂り、消耗した栄養素を補うことが大切です。
風邪を治す際に役立つ栄養素は、症状によって異なります。おもな症状と、症状を和らげるのに良いとされる栄養素と、それらの栄養素を多く含む食材・飲み物は以下のとおりです。
| 症状 | 栄養素 | 食材・飲み物 |
|---|---|---|
| 風邪のひき始め | タンパク質 ビタミン・ミネラル |
ささみ、卵、大根など |
| 喉の痛み、咳が出る | タンパク質 ビタミンA ビタミンC |
豆腐、蜂蜜、生姜、野菜ジュースなど |
| 鼻水・鼻づまりがある | ビタミンA ビタミンB2 ビタミンC |
玉ねぎ、人参、ホットレモネードなど |
| 発熱・悪寒がつらい | ビタミンB1 ビタミンB2 |
ねぎ、卵、豆腐、ゼリー飲料、スポーツドリンクなど |
| 下痢・嘔吐がある | カリウム | かぼちゃ、じゃがいも、すりおろしりんごなど |
| 風邪の治りかけ | 炭水化物 タンパク質 ビタミンA ビタミンC |
鶏むね肉、鶏ささみ、鮭、白身魚など |
また、栄養を摂るだけでなく、水分を摂ることも重要です。風邪をひくと水分が不足しやすくなるため、飲み物や食材でしっかりと水分を補給しましょう。
以下で、風邪をひいたときにおすすめの栄養素と食材について、より詳しく解説します。
風邪をひいたときに摂りたい栄養素には、以下のようなものが挙げられます。各栄養素がどのように役立つのかをみていきましょう。
タンパク質は、炭水化物や脂質と並ぶ、三大栄養素の一つです。
エネルギーの源であり、臓器・皮膚・爪・髪・筋肉など、体のさまざまな組織を作る栄養素でもあります。ホルモンや抗体などを調節する働きもあるため、タンパク質は体の調子を整えるうえで欠かせません。
タンパク質が不足すると、筋力の衰えや免疫機能の低下につながってしまいます。そのため、風邪をひいたときはもちろん、風邪を予防するためにも積極的に摂りたい栄養素です。
タンパク質は肉や魚、豆腐、卵などに豊富に含まれます。風邪で体が弱っているときは、消化の良い鶏ささみや皮なしの鶏むね肉 、豆腐、卵などを摂るとよいでしょう。
ビタミンAは「抗酸化ビタミン」といわれ、生活習慣病や心疾患などの発症に関連しうる活性酸素の働きを抑える栄養素です。粘膜をすこやかに保ち、ウイルスから体を守るなど、健康維持に役立つ働きがあります。
ビタミンAが不足すると、粘膜の乾燥によって感染症にかかりやすくなります。さらに、胃腸の働きの低下といった症状も現れやすくなるため、適度に摂ることが大切です。
ビタミンAが含まれる食品には、うなぎやレバー、ほうれん草や小松菜、春菊などがあります。
ビタミンCは、ビタミンAと同じく「抗酸化ビタミン」といわれる栄養素です。過剰に増えた活性酸素の働きを抑えたり、風邪のウイルスなどから体を守ったりします。
「風邪にはビタミンC」とよくいわれることがありますが、直接的にビタミンCが風邪予防に効果があると証明されているわけではありません。しかしながら、ビタミンCは免疫機能のサポートに役立つため、風邪の症状を和らげる効果が期待できるとされています。
ビタミンCが不足すると免疫力低下をはじめ、疲労感、皮下や歯茎からの出血や貧血などが起こる傾向にあります。生き生きと過ごすうえで欠かせない栄養素のため、積極的に摂るとよいでしょう。
ビタミンCを含む食材には、ピーマンやパプリカ、ブロッコリー、じゃがいも、みかん、レモン、いちごなどがあります。ビタミンCには水に溶けやすく熱に弱いという性質があるため、加熱時間を短くする、蒸す、電子レンジ加熱を活用する、スープなど汁ごと食べられる料理にするといった工夫で無駄なく摂取できます。
ビタミンB群は、三大栄養素のエネルギー変換をサポートし、疲労からの回復に寄与する働きがある栄養素です。ビタミンB群が不足すると、栄養素をうまくエネルギーに変えられず、集中力の低下や倦怠感などを招くとされています。
ビタミンB群にはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8つが含まれ、エネルギー代謝に関わる栄養素はそれぞれ異なります。例えば、ビタミンB1は糖質、ビタミンB2は脂質、ビタミンB6はタンパク質の代謝のサポートを担うため、種類ごとの特徴をふまえて食事に取り入れてみてください。
ビタミンB群を多く含む食品として、豚や鶏のレバー、牡蠣やマグロの赤身などが挙げられます。ビタミンB群は水に溶ける性質を持つため、スープやシチューなど、汁ごと食べられるメニューを考えるとよいでしょう。
オメガ3系脂肪酸は、血流をスムーズにして動脈硬化や血栓を予防するほか、悪玉コレステロールを減らしたり、血圧を下げたりする効果が期待できる栄養素です。不足すると、疲労感の増加や関節痛の発生につながる可能性があります。
オメガ3系脂肪酸は、サケやマグロなどの脂肪が多い魚、貝類、植物油などに多く含まれています。ビタミンC・Eの食材と一緒に摂るとより効率的なため、料理に取り入れるとよいでしょう。
風邪の症状によっておすすめの食べ物(食材)は異なります。風邪のひき始めから治りかけまで、症状別におすすめの料理を紹介します。
風邪のひき始めでは、内臓に負担をかけないように消化が良く、栄養価が高い食材を選びましょう。
ささみが入ったおかゆ、卵や野菜の味噌汁やうどん、鍋料理などが適しています。栄養素では、タンパク質やビタミン・ミネラルなどがおすすめです。生姜で身体を温めたり、ミカンなどの柑橘類でビタミンCの補給などをしましょう。
喉が痛いときは、強い酸味や辛味など、喉の粘膜への刺激が強い食事は控えましょう。さらに、適切な水分補給を行い、乾燥から喉を守ることも必要です。
喉の痛みがある場合は、野菜や生姜の入ったスープや喉越しが良い豆腐を使った雑炊など、水分が多く、喉に負担のかからないものを選びましょう。タンパク質やビタミンA・Cといった栄養素を、意識的に摂ってみてください。
咳が出るときは、体力を消耗していることが多いため、エネルギーが高いものを選びましょう。喉粘膜への刺激が強い食事は咳を誘発させることもあるため、避けたほうが無難です。
おすすめの食べ物には、タンパク質が豊富な食材を使ったスープや雑炊、ビタミンAに変換されるβ-カロテンやβ-クリプトキサンチン・ビタミンCが摂れるフルーツゼリーなどが挙げられます。喉越しが良く、エネルギー豊富なものを選ぶとよいでしょう。また、はちみつには抗菌作用があり、喉の保護にもなるため、おすすめです。
鼻水や鼻づまりには、ビタミンA・B2・Cがおすすめです。ホットレモネード、玉ねぎをたっぷり入れたスープ、鍋料理などで摂るとよいでしょう。
体が温まる料理や飲み物を選べば、鼻づまりの軽減も見込めます。
発熱や悪寒がつらいときも、温かい料理を選ぶとよいでしょう。発熱時はエネルギーを消耗するため、水分とエネルギーの補給をすることも大切です。
具体的には、ビタミンB1・B2などを摂れる卵がゆや煮込みうどん、湯豆腐などが挙げられます。
下痢・嘔吐があるときは、消化機能が低下している可能性があるため、消化の良い食材を選ぶことが大切です。水分の排出が多くなると脱水症を引き起こしやすいため、こまめな水分補給も忘れないようにしましょう。
下痢や嘔吐の症状があるときは、カリウムが豊富なかぼちゃやじゃがいもを使ったスープ、すりおろしたりんごなどがおすすめです。
風邪が治りかけのときは、体力を消耗していることが多いため、消化が良く栄養価が高い食事を摂りましょう。炭水化物やタンパク質、ビタミンA・Cといった栄養素を、意識して摂ってみてください。
風邪が治りかけの際におすすめのメニューには、魚や肉、野菜などを使った蒸し料理・煮込み料理などが挙げられます。
食欲がわかないほど体が弱っているときは、無理をせずに食べられるものを摂りましょう。
人は、食事をするときにもエネルギーを消耗するため、無理に食事を摂れば、それだけエネルギーを食事に費やすことになります。早い回復を目指すためには無理をせず、消化の良い食品で最低限の栄養補給を心がけるのも一案です。
ただし、口腔内が乾燥すると脱水症状が出たり、異物を体内から排出する力が低下したりするため、水分と電解質はこまめに補給してください。その際には、ゼリー飲料や経口補水液、スポーツドリンクなどがおすすめです。経口補水液は日常の水分補給として飲むものではないため、製品に記載の摂取量を確認してから補給するようにしてください。
食欲がない状態が続く場合は、医療機関に相談して医師の判断に従いましょう。
最後に、風邪をひいたときに避けたい食べ物(食材)と飲み物を紹介します。以下のような食材や飲み物は、体に負担をかける原因になります。風邪の症状が和らぐまでは、避けたほうがよいでしょう。
脂の多い肉や揚げ物などは、消化に時間がかかり、胃腸に大きな負担をかけます。
肉を摂りたいときはできる限り脂が少ないものを選び、蒸し料理のように油を使用しない調理法を選びましょう。
唐辛子をはじめとするスパイスも、胃腸への刺激が強いため避けましょう。特に喉に炎症が起きている場合は、刺激を避けるためにも、スパイスの使用を控えるのがおすすめです。
食物繊維にはおなかの調子を整える効果が期待でき、便秘の予防につながります。しかし、消化に負担がかかるため、特に下痢や嘔吐などで胃腸が弱っているときに多く摂ると、かえって負担になることがあります。
そのため、症状が和らぐまでは、柔らかく煮た繊維の少ない葉物野菜を選ぶと安心です。
先述のように、風邪をひいているときは水分が不足しやすくなります。その際に、利尿作用のあるアルコールやカフェインを含む飲み物を摂ると、脱水につながる恐れがあるので注意しましょう。
また、アルコールは睡眠の質を下げるため、風邪が完全に治るまではアルコールを控えることが大切です。
風邪を早く治すためには、食事にも気を配ることが大切です。風邪のときに摂ったほうが良いとされる、タンパク質やビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸などを積極的に摂るとよいでしょう。
また、おすすめの食材は風邪の症状によっても異なります。さらに、油脂やスパイスの多い料理は胃腸の負担になるため、風邪が治るまでは控えた方がよいでしょう。今回紹介したメニューを参考に、食べられそうなものをゆっくりと食べて、体調を整えましょう。
風邪を早く治すなら、十分な睡眠・休養をとることも重要です。症状がひどい場合は無理をせず、医療機関を受診して医師の判断を仰ぎましょう。