風邪をひいていて食欲がないときでも、体のために必要な栄養はしっかりとりたいもの。
そんなとき、手軽に栄養を補給できるのが栄養ドリンクです。
この記事では、栄養ドリンクの役割や効果、風邪をひいた際の栄養ドリンクの選び方を詳しくご紹介します。
体調に合った栄養ドリンクを見つける参考にしてください。
現在、日本において栄養ドリンクには明確な基準が定められています。ここでは栄養ドリンクの役割と種類、風邪に効果があるかを解説します。
栄養ドリンクとは様々な栄養素を配合した飲み物のことです。疲労回復や滋養強壮、栄養補給を目的としています。
栄養ドリンクは医薬品または医薬部外品に分類されます。効果があると認められた有効成分を配合しているため、定められた範囲で効能・効果を表記でき、服用量が定められているのも特徴です。
なお、一般的な呼称として「栄養ドリンク」と呼ぶ際には、エナジードリンクなどの清涼飲料水(食品)も含まれます。しかし、薬機法上は医薬品・医薬部外品に該当するものが「栄養ドリンク」であり、エナジードリンク等は「清涼飲料水(食品)」です。
栄養ドリンクは風邪の治療薬ではありません。しかし、風邪をひいたときの栄養補給には役立ちます。
風邪をひいたとき、私たちの体のなかでは免疫細胞がウイルスなどの病原体と活発に戦っており、健康な状態よりも多くのエネルギーを消費しています。そのため、風邪をひいた際には体内で不足した栄養素を積極的に補う必要がありますが、体調不良時にしっかり食事をとるのは難しいこともあるでしょう。
そのようなときは、食事を消化の良いおかゆやスープに変えつつ、栄養補給として栄養ドリンクを活用しても良いでしょう。栄養ドリンクなら体力や食欲が低下しているときでも飲みやすく、効率良く栄養素を摂取できます。
ここからは、風邪をひいた際に栄養ドリンクを飲む場合の注意点を解説します。
風邪をひいたときに飲む栄養ドリンクとしては、ビタミンB群やビタミンC、生薬が配合されているものがおすすめです。
詳細はのちほど解説しますが、ビタミンB群やビタミンCはエネルギー代謝や抗酸化作用など、体の機能をスムーズに保つために欠かせない栄養素です。また、身体抵抗力を高める生薬が配合されているものもあるため、風邪のひきはじめに取り入れると良いでしょう。
栄養ドリンクには、生薬やアルコール、カフェインを含むものがあります。風邪をひいた際には、できるだけアルコールやカフェインを含まない栄養ドリンクを選ぶのがおすすめです。これらの成分は体調を悪化させたり、薬と相互作用を起こしたりする可能性があるため注意が必要です。
風邪薬を服用している場合は、栄養ドリンクとの成分の重複に注意が必要です。特に重複しやすい成分は、カフェイン・ビタミン類・一部の生薬などで、これらの成分が重複すると、過剰摂取になる恐れがあります。
また、風邪薬との組み合わせによっては含有成分の相互作用により、思わぬ副作用を起こすことがあります。風邪薬と栄養ドリンクを併用する場合は、あらかじめ医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。
活力が欲しいときにエナジードリンクを飲む方は多くいますが、エナジードリンクは清涼飲料水であり、医薬品・医薬部外品の栄養ドリンクとは異なります。
そのため、医薬品や医薬部外品に用いられるような成分は配合できず、具体的な効能・効果も表記できません。
一方、栄養ドリンクは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づき、効果が認められた成分を配合し、効能・効果の表記ができます。製造・販売には厚生労働省の承認を要するなど、厳格なプロセスを経て販売されるものであり、エナジードリンクとは明確な違いがあります。
風邪をひいた際に飲む栄養ドリンクを選ぶときには、含まれている成分に着目しましょう。ここでは成分別に、風邪をひいた際の栄養ドリンクの選び方を解説します。
風邪をひくとエネルギーを消費して疲れが溜まるため、体内でエネルギー源になる三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物(糖質))の働きをサポートし、体力の回復に寄与するビタミンB群や、体をつくるタンパク質を構成するアミノ酸の摂取が望まれます。
ビタミンB群とは、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ナイアシン(ビタミンB₃)、パントテン酸(ビタミンB₅)、ビオチン(ビタミンB₇)、葉酸(ビタミンB₉)の8種類の水溶性ビタミンの総称です。
ビタミンB群が代謝をサポートする三大栄養素のおもな役割は以下のとおりです。
ただし、三大栄養素はそれだけでは十分なエネルギーを生み出せません。以下のように、ビタミンB群により分解や代謝のサポートを受けることで必要なエネルギーがつくりだされます。
風邪をひいた際の体力の回復には、このようなビタミンB群の働きが役立ちます。
一方、アミノ酸は骨や筋肉などの材料として必要なタンパク質を構成する栄養素です。
タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、そのうち、体内で生成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
必須アミノ酸は食事から摂取する必要がありますが、風邪の際には食欲がなく十分な食事をとれない場合もあるでしょう。その際に栄養摂取の補助的な手段として栄養ドリンクを取り入れるのもおすすめです。
風邪気味のときには、体の抵抗力を高める効果が期待できるビタミンAやビタミンCなどの摂取がおすすめです。
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つです。化学名は「レチノール」といい、動物性食品に含まれているのが特徴です。また、植物性食品に多く含まれるβ-カロテンも吸収されるときにビタミンAに変換されるため、ビタミンAの仲間に分類されます。
ビタミンAは目の働きや皮膚、粘膜をすこやかに保つために必要なビタミンです。また、細菌やウイルスに対する抵抗力を高め、風邪などの感染症にかかりにくくする働きがあります。
一方のビタミンCは水溶性ビタミンの一種です。疲労を和らげたり、ストレスへの抵抗力を強化したりする役割があります。
また、コラーゲンの生成を助けて皮膚や粘膜の修復をサポートし、傷を早く治すことで細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きもあります。さらに、植物性食品から摂取した鉄分の吸収率を上げ、免疫機能の働きを正常にするのもビタミンCの役割です。
免疫機能の強化のサポートや風邪予防に取り組む際には、ビタミンAとビタミンCを補うのがおすすめです。
生薬には様々な種類があり、その作用も多岐にわたります。
風邪をひいた際のおすすめは、滋養強壮作用のある甘草(カンゾウ)や人参(ニンジン)などの生薬が配合されたもの、体を温める生姜(ショウキョウ)や桂皮(ケイヒ)が配合されているものです。
栄養ドリンクに含まれる特定の生薬には、以下のような効果が期待できます。
タウリンは含硫アミノ酸の一種です。心臓や肺、肝臓、目など人間の体のあらゆるところに存在しており、そのうち筋肉には約7割が存在しているとされています。
タウリンは、体力の消耗を和らげたり、心臓・肝臓の機能をサポートしたりするなど、体のなかで生理作用がうまく働くよう調整する役割を果たしています。
タウリンは体内で生成できますが、風邪をひいているときなどには多く消費されるため、食べ物や栄養ドリンクなどで補うと効果的です。
風邪を早く治すには、風邪のひきはじめに適切な対処をすることが大切です。風邪を悪化させずに早く治すためのコツをご紹介します。
風邪のひきはじめには以下のような自覚症状が出て、体力を大きく消耗します。
そのため、風邪を早く治すためにはまず安静にする必要があります。
また、体調を崩すと眠気を感じることがありますが、これは免疫機能の働きによるものです。病原体が体内に侵入すると免疫機能が活性化し、産生されたサイトカインという物質の一部が脳の睡眠にかかわる部分に作用することで深い眠りを誘発します。
これは、余計なエネルギーの消耗を避け、体の回復を優先させるための働きであるとされています。風邪をひいた際には体を疲弊させないためにも、十分な睡眠をとり安静を意識して過ごすと良いでしょう。
体力や免疫機能を向上させるには、栄養バランスの良い食事をとることが重要です。なかでもタンパク質は免疫機能の維持に不可欠のため、卵や豆腐など、手軽に食べられるものから摂取すると良いでしょう。
また、ビタミンAやビタミンCは、粘膜を健康に保つ働きがあり、鼻や喉の風邪症状を緩和する効果が期待できます。これらはニンジンやほうれん草などの緑黄色野菜やジャガイモ、バナナなどを食事に加えることで取り入れられます。
風邪をひいているときは発熱や発汗により脱水になりやすいため、水分補給も忘れずに行ないましょう。
栄養ドリンクは栄養補給が目的の飲み物です。そのため、体調が悪いときは無理せず必要に応じて医療機関を受診し、薬を処方してもらうことが重要です。
風邪をひいたときにおすすめの栄養ドリンク、リコリス「ゼンヤク」シリーズをご紹介します。ただし、栄養ドリンクは治療薬ではないため、体調が悪いときは無理せず、必要に応じて医療機関を受診してください。
新リコリス「ゼンヤク」は、カンゾウ(甘草)エキスにビタミンB₆、タウリンなどを配合した、特に風邪などの発熱性消耗性疾患の際の栄養面に配慮された内服液剤です。
甘草エキス、ビタミンB₆などが、体が弱っているときや疲れているときなどの滋養強壮に役立ちます。発熱性消耗性疾患だけでなく、病中病後や肉体疲労、胃腸障害時など、様々なシーンでの栄養補給に適しています。
3才から飲めるお子様向けの甘くて飲みやすいリコリス「ゼンヤク」小児用や体がだるい時の滋養強壮にはリコリス「ゼンヤク」DXもおすすめです。
栄養ドリンクは効果があると認められた有効成分を配合した飲み物です。栄養不良にともなう不調の改善や疲労回復ができるよう、栄養補給を目的につくられています。分類としては、症状の緩和を目的として成分を配合している「医薬品」や、医薬品より作用が緩やかな「医薬部外品」に該当します。
風邪をひいている際は、健康な状態より多くのエネルギーを消費しているため、栄養ドリンクを活用して体内で不足した栄養素を補うのもおすすめです。ただし、アルコールやカフェインが含まれる栄養ドリンクは、風邪をひいている際には避けたほうが良いでしょう。
また、風邪薬を服用している場合には、栄養ドリンクと成分が重複し、相互作用により思わぬ副作用が起きることがあります。風邪薬と栄養ドリンクを併用する際には、あらかじめ医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。
季節の変わり目には風邪をひきやすくなります。風邪かな?と思ったら、早めに対処して乗り切りましょう。