ホーム  »  健康一番  »  健康ファイル
漢方の滋養・強壮薬

2海狗腎・麝香・霊猫香

漢方には、動物を利用した生薬があります。ほとんどがその動物の「精力の強さ」にあやかりたく利用したと考えられます。

【海狗腎(カイクジン)】

海狗腎というのは、オットセイやアザラシの生殖器である陰茎(ペニス)、睾丸および輸精管のことです。
オットセイのオスはたった1頭で、20〜30頭のメスを従え、1か月あまりも飲まず食わずで性行為に没頭するといいます。その驚異的な精力は他に類を見ないことから、多くの強精・強壮薬に使われています。
日本でも徳川家康の持薬に配合されていたという記録があり、知る人ぞ知る精力剤だといえます。
16世紀に中国の李時珍という人が医学書『本草網目』を著し、そのなかに海狗腎としての精力剤や滋養強壮剤の記載があるとされています。また、古文書のなかにも海狗腎の名は出てきます。『図経本草』の他、『薬性論』には「膃肭臍」(オットセイ)の名で「男子の宿チョウ気塊、積冷労気 、腎精衰損、多色のために労となって痩悴せるものを治す」とあります。
このように古くから、強壮・補血の強精薬として用いられていたといえます。

【麝香(ジャコウ)】

麝香はジャコウジカの麝香腺分泌物を乾燥したもの。漢方では最も高貴とされており、ヨーロッパでは高級香料にのみ用いられています。
薬理作用として、心臓機能の亢進や、血圧降下作用があるといわれます。そのため、中国や日本では「六神丸」や「奇応丸」、そのほかいろいろな製剤に配合されています。
現在ではワシントン条約により輸出入が禁止されているため、使用できない生薬です。

【霊猫香(シベット)】

シベットは東南アジア、ヨーロッパ南部、北東アフリカに生息する麝香猫(ジャコウネコ)の会陰腺という部位からの分泌物です。「霊猫香」とも呼ばれるシベットは麝香に似た香りをもち、高級な香水にブレンドされています。
香気成分はシベトンという物質で、麝香にも含まれる成分。古くから制汗剤や媚薬として用いられ、クレオパトラがシベットを体に塗って愛用していたことはよく知られています。強精・強壮剤としても、昔から用いられてきました。

健康ファイル一覧へ 健康一番トップへ